武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 新たな生活空間の構築(44)


《早春が過ぎて春本番

二地域暮らしが二年目になった、
気のせいか今年の春のほうが眩しい。
自生しているヤマツツジの花の数が今年の方が多い。
一昨年、この場所を不動産として売るために
前のオーナーは、思い切って敷地の大木を伐採し
日当たりの良い明るい場所へと敷地を大改造した。
そのため、敷地の林床に届く日照が急に増えた。
ここ数年のうちに雑木林が大きく変貌することが予想され
期待して今年の春を待ち望んでいたのだが
想像していた以上に変化が大きいようだ。
(画像は室内からの眺め、画像をクリックして大きなサイズでご覧あれ)


マイナス面は、樹木の伐採で斜面の土壌の流出が増え、
大雨が降ると脇の道路が川となり、路面がえぐれて
敷地の土壌が相当量流れ出していることに気がついた。
茂っている笹と残っている切り株の根を萌芽更新で生かし
緑のダム方式で土壌流出の低減を期待するか
それともかなり大掛かりな土木工事をするか
年金暮らしなので緑のダム方式でいくことになった。
敷地全体が赤城山麓の斜面なので気をつけなければ・・・。


プラスの面は、住まいの日当たりが良くなり
晴れていれば真冬でもポカポカ暖かく暮らせる。
地面にまで沢山の日照が届くようになり
地中に眠っていた種が一斉に芽吹き育つ。
何日か留守にすると、山野草に分類される草花が
空いている所に足の踏み場もないほどに芽を出している。
これまで自生していたものと一緒になって
綺麗好きな人なら青ざめるほど一面雑草だらけとなる。


去年は、慌てて刈払い機を買って
見た目だけは何とかしようとしたけれど
いろいろな幼虫もトカゲも一緒くたに
輪切りにしてしてしまったことを反省して
今年はもう少しローテクの道具に持ち替えて
愛らしい花を咲かせる人気のある山野草だけでも
刈り取らずに生かしておこうかと考えている。


日差しが強くなったけれど
発芽したものが全部育つわけではない、
例えば、ヤマユリなどは、踏まないでは敷地を歩けないほど
至る所で芽を出して風にゆれているけれど、
雨が降らないと小さい苗は自然に枯れて消えてしまう、
とにかく数だけはすごいことになっている。
調味料になる山椒の発芽もすごい。
去年、刈払い機で草刈りをしていたら至る所で山椒の匂いがして、
切り払ってしまったことに後で気がついた。
敷地を探したら、小さな花をつけた雌の山椒があったので、
実を啄んだ野鳥がフンをしながら飛び回ったのだろう。


これは日当たりが良い所を好むジュウニヒトエ、何とも優雅なネーミング
周りのササに負けまいと元気すぎるくらいである。

これは少し日陰の林の外側を好むチゴユリ、小さな清楚な花々が
一面に群生していると文字通り足の踏み場がなくなる。