武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 新たな生活空間の構築(51)


《雑木林の整備−小道作り》


赤城南麓の雑木林で暮らすようになって二年、
植林されていない自然のままの林を整備しようと
自分なりの試行錯誤を繰り返す日々が続いている。
雑木林を庭にするつもりは全くないが
ある程度は人手の加わった健康的できれいな林にしておきたいし
地表は生き物の多様性が展開できるようにしておきたいと言う思いがある。

7月に入ると植物の成長スピードがさらに加速して
油断していると何から手をつけたら良いわからなくなるほど。
一年目の去年の夏は、暑さと植物の繁殖力に圧倒されて
山里暮らしの初心者はほぼお手上げ状態だった。

ジャングル状態の林の中では何をするにしても
行きたい場所にたどり着くための通り道がなければ何も出来ない。
私の場合、騒音を立てたくないので、工具は手動のものと電動だけ、
作業をする場所まで移動できるようになると何とか電源もひきたくなり、
人がひとり通れる道が同時に電源コードの通り道ともなる。
去年の道はすでに埋もれかけていたのでそこから刈払いをして
その先へ道を少しずつを伸ばしてゆくのが今年の仕事。

できた道を歩きながら木々を観察し枯れ木をチェック、
不要な枝を見定め、撤去や剪定の手順について考える。
枯れていた木はいつの間にか倒れ、引っかかっていた枯れ枝も落ちて
延び放題の草の間には何がひそんでいるか油断ならない。
雑木林は自然のままに放置しておくよりも
人間の手入れが加わることによって、
樹木も地面の植生もより健康的になり
見た目も美しくなるのは環境ボランティアで経験済み。

最初に人一人通れる道を切り開くのは電動の刈払機、
一人で作業することが多いので、安全性を考えて
先端に取り付ける回転ツールにノコギリ状のチップソーは使わない。
プラスチックのブレードかビニルコードを回転させて切るツールを取り付けて
状況に合わせて交換して使い分け、ゆっくりと道を開いてゆく。
どちらを使っても、雑草は粉砕されて粉々になってしまい
後片付けの手間がかからないのがいい。
チップソーよりも切れ味は落ちるけれど
切り口が鋭角的でなく、優しい感じに刈払えるのもいい。
それでも切れないものはノコギリを使い手作業で始末してゆく。

広くない山麓の雑木林なので総延長はたいしたことはなく
道らしきものが出来ればいいだけなのだが
道にしてしまうと草やササを刈り取るので降雨が直接地面をたたくようになり
斜面では雨水が流れる通り道になってしまうところが悩ましい。
人が通りやすいということは、イノシシなどにも通りやすくなり
水も流れやすくなるという当たり前のことなのだけれど・・・。
でも、あまりいろいろなことを考えていると何もできなくなるので
必要性を感じたらあまり深く考えずに切り開くことにしている。