武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 新たな生活空間の構築(60)


《3〜5℃の温度差》

赤城の山荘は標高500mほどの地点にあるので
平地に比べると常時3〜5℃気温が低い。
この違いは季節によっては相当に大きな違いとなり
ゲストを温度差によって苦しめたり
快適さに感激させたりすることになる。
参考のため季節を追ってその実態をまとめておこう。
(画像は十月の雨の朝の山荘、朝晩はストーブのお世話になる)


まずは夏7〜8月の山荘
平地の気温が35℃を越えるような真夏日
日中はやはり30℃を少し越えてそれなりに暑い。
窓を開け放ち風が入ってくれば何とかなるが
風がないと扇風機を回し
体を動かすと汗が吹き出るので大人しくじっとしている。
朝晩はぐんと気温が下がり風も出てきて
一度も寝苦しい思いをしたことがない。
30℃前後の夏日もそれなりに暑いがなんとかなる。
平地と比べて、朝晩が過ごしやすいというのが最大のメリット。
そのため8月は現住所での新聞をストップ、
山荘で過ごす日々がぐんと多くなる。


冬は厳しいけれど意外と過ごしやすい。
赤城南麓はめったに雪は降らないが
厳冬期の1〜2月は朝晩は−10℃近くまで冷え込み
凍結対策に気をつけないと排水管が破裂する。
朝晩は、室内に閉じこもりストーブやコタツなどの
暖房器具のお世話になりっぱなしとなる。
ところが日中は冬の上州は晴天率が高く
10時頃から午後2時頃にかけて室温は暖房なしで15℃近くなり
気持ちよくポカポカ暖かい。
気象庁の統計によると前橋市の12月と1月の日照時間は
コンスタントに200時間を越えており
素晴らしい晴天率となっている。
そのために冬の日中はとても過ごしやすい。


それでは快適なはずの春と秋はどうか。
意外とこの時期が一番温度差が体に応える。
少し暑いかなと思ってそのまま山荘に行くとかなり寒く
少し寒いかなと思ってそのまま山荘に行くとさらに寒い。
微妙な温度差が体感的には大きな差となって感じられ
非常に寒い思いをすることになる。
この時期、日によって寒かったり暑かったりすることがあるように
僅か500mの標高差が予想以上の寒さとなって体感される。
春と秋が一番温度差が要注意なのだ。


それともう一つ、冬の上州名物空っ風
冬型の気圧配置になると赤城山の斜面を
寒い北風がゴーゴーと引き下ろしてくる。
立っているのも辛いほどの強風が一日中吹き荒れることもある。
我が山荘は北側に帯状の針葉樹林帯があり
自然に防風林の役割を果たしてくれているので
強風は家の上を通り抜けてゆくのだけれど
風の音を聞いているだけで寒くなる。
風の強い日は、野外の作業などもってのほか、
風の当たらない日当たりでじっと読書をして過ごすことにしている。