武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 新たな生活空間の構築(62)


《壁一面の本棚その2》

渡り廊下の両面に壁一面の本棚を3ヶ月かかって作りつけて
蔵書の整理をあれこれ考えて試行錯誤しているうちに
いつの間にか時間が経ってしまった。
現住所に溢れかえっていた蔵書の山は少し減ったものの
総ての本の背表紙を見えるようにして
どの本ともアクセス可能にするという当初の目的は
まだまだ達成できていないことが気になってきた。
そこで、本棚作り第二段階に進むことにした。


我が山荘には、高窓がひとつあるだけの8畳ほどの空間がある。
当初の建築目的が納戸になっていた大きなクローゼットのような空間、
絵描きさんの作品置き場を想定していたものらしい。
この高窓があるだけの壁面を本棚に改造することにした。


大きな壁面なので下段は24mmのシナベニアを使って
大型の本専用の本棚を兼ねた収納棚にして
上段を天井までの単行本用の本棚にすることにした。
ここは生活する部屋ではないので
品質の良い12mmのコンパネを使い材料費を押さえることにした。


コンセプトはとにかく収納能力を最大限にし
文庫でも大型本でもなんとか背表紙の見える形で収めること、
もう一室、居住性を考えた書斎を兼ねた書庫を作るつもりなので
居住性ゼロの収納機能だけを追求した本の収納庫にするつもり、
何がどこにあるか分かる範囲で収容能力を最大化してみた。


完成してみて痛感したことがある。
収納能力を最大にするために背伸びしても
手が届かない所にまで本棚を設置したことは
あまり賢明なことではなかった。
遠くて何があるか背表紙が読み辛いうえに
手を伸ばすのが億劫になる。
いちいち脚立に登るのも
高齢化がすすめば危険な作業になる。
以前は、梯子を架けるような高い位置の書庫に憧れていたが
実際に経験してみないと分からないことだった。
梯子を上り下りする巨大書庫をお持ちの方々は
上の棚まで活用されているのだろうか。