武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 新たな生活空間の構築(73)


《チーちゃんの飼い主捜し》

 現住所での滞在日数がすこし長くなった。赤城から連れてきた迷子の猫のことで、日も長くなって少し春めいてきたのでいつ発情するか心配になって近所の動物病院へ相談に行った。すると、驚いたことにチーちゃんは既に避妊手術がすんだ二歳相当の大人の猫だとわかった。飼い猫だったことは明らかなので、獣医さんのアドバイスで山荘周辺の保健所と警察署に届けを出し、正式に飼い主捜しの手続きを取ることになった。三ヶ月しても見付からない場合には、私たちが正式に新しい飼い主になることになる。(チーちゃんは目が大きくて、なかなか美形の猫ではなかろうか)

 現住所でのチーちゃんは、マンションやアパートのような集合住宅で飼われていたのか、数少ない全部の部屋を探険し終えてからは、すっかり寛いで睡眠時間が長くなった。どの猫も同じように寝ている姿が一番愛らしい。手足を伸ばして寝るクセがあるのか、ノビノビと伸びて少しあられもない姿態(笑)で熟睡していることが多い、人間の年齢になおすと20才前後のお嬢さん猫らしい。

 現住所での用件が一段落したので赤城の方に移動した。高速道路を一部しか使わない2時間コースで移動したところ、キャリーケースでの長時間拘束が苦痛だったらしくケースの中で大暴れした。1時間に1回程度停車して休憩をとり、出来るだけ移動時間を短くする必要がありそう。

 山荘での滞在時間が短かったせいか、チーちゃんは山荘のことはほとんど忘れており、最初の時と同じようにまた各部屋の探険をはじめた。あるいは野良猫サンちゃんの臭い付けが残っているのか、現住所にいた時よりも落ち着かなかない。山荘では、獣医さんのアドバイス通り、前橋市の保健所と連絡を取り、近くの警察署に届けをだした。届けを出したところ、早速、猫を探している方がいるという連絡が入り始めた。まだ、本当の飼い主は見付かっていないものの、どうなることやら3ヶ月は落ち着かないことになりそう。(下の画像は、警察に届けを出すために準備したスナップの1枚)

 ところで、何日かチーちゃんと暮らしてみて、山荘に来ている野良猫サンちゃんが、いかに利口な猫であるかということがはっきりしてきた。チーちゃんが唸り声を上げて威嚇しても知らん振りをして泰然自若としているし、私たちに対する態度も変えず山荘を訪問してレストラン機能とリラクゼーション機能をいままで通り楽しんでいく。早朝の気温がマイナス5℃を下回るような日は、6時頃に来てストーブの回りに陣取り全身熱々に暖まり輻射熱を楽しんで、一定の時を過ごすと外に出たいと訴えて、悠然と縄張りの偵察に出かけてゆく。サンちゃんは大物然としてきた。