武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 新たな生活空間の構築(77)


アシナガバチ活動開始》
 昨年の春から山荘の周辺に巣作りをするアシナガバチを、雑木林に住む昆虫の捕食者として大事に見守ることにしている。昨年は、山荘の家屋の各所に幾つも巣作りを始めたものの、最後まで営巣をやりとげられたのは僅かに三つだけ、自然環境がいかに厳しいか実感した。天敵のスズメバチの襲撃が凄かったことを思い出した。

 アシナガバチの越冬はメスバチだけが集団で固まって寒さをしのぎ冬を越すのは分かっている。昨年も山荘の南側の屋根瓦の隙間から、中の風洞に入り込み越冬しているのだろうと推測していた。予想通り4月に入って暖かい日が続くと、隙間から這い出したメスバチたちが日向ぼっこを始めた。まだ飛び回る元気はないらしいが、最高気温が25℃を越えるようになると、少しずつ新しい巣作りの候補地をさがしてハチたちの飛行が始まる。(画像は、4月6日の午後暖かい日だったので、身体を温めに越冬場所から出てきたアシナガのメスの集団、気の早い一匹が飛び始めた)

 山荘で越冬したメスバチを概算で数えてみると40匹ほどいる。最後まで残っていた三つの巣にいたハチを合わせても40匹には足りない。それぞれバラバラの場所で巣作りをしていた最後のメスバチたちが、一箇所に集まったのも不思議だし、数が増えているのも不思議。寒くなる前に、アシナガバチが連絡しあい集まってきたのだろうか。

 最初の母親バチは夏の初めごろ、真っ先に力を使い果たして死んでしまっているので、越冬する場所の伝達だってしようがないはず。ここが良いという印か何かが残されていたのだろうか。ハチの能力には不思議がいっぱいである。

 いずれにせよ、今年は母親になる越冬したメスバチが多いので、山荘周辺での巣作りがたのしみだ。嫌がることをしなければ刺されることがないのは、昨年の経験で確かめてある。不注意な接触さえしなければ危険はない。ただし、来客のためと不慮のトラブルのために、万が一刺された場合のポイズンリムーバー(毒液吸出し器)と消毒液は準備してある。