武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 新たな生活空間の構築(80)


《草刈と薪割りの日々》

 ゴールデンウイークを過ぎる頃から、植物達の成長が著しくなる。一週間放置しておくと、山荘の周りには、みるみる荒廃した雰囲気だよいだす。そのままにしておくと、芽を出した植物達の茎がみるみる丈夫になり硬くなり生育に拍車がかかり、花をつけたり実をむすんだり、子孫を残そうとし始める。その前に刈り取ってしまわないともっと大変なことになるので、山荘に着くとまず草刈の作業がかかせない。

 いろいろ試してみたけれど、最近では4サイクルエンジンの刈り払い機を主体にして、3種類のアタッチメントを準備、刈り取る草の状態に合わせて使い分けるようにしている。柔らかい草にはナイロンコード、笹や硬い茎が混じる場所にはチップソー、中間の状態ならプラスチックのブレード。それぞれ使い方にコツが必要で、最近やっと少し慣れてきた。ただし、午前中の10時以前は電動の音の静かな刈り払い機を使うようにしている。山里の朝の静けさを壊したくはない。

 草刈が一段落すると、冬の燃料作りの薪割り、幸いと言うべきか不幸にと言うべきか、我が山荘には景観の妨げになるほど沢山の丸太の山がある。増えすぎた敷地の樹木を伐採した針葉樹と落葉樹の丸太が、何箇所かに積みあがっていて見るからにむさ苦しい。林の整理をかねて丸太を玉切り、割って薪にして乾かしてストーブの燃料にしている。(右の画像は、玉切りした丸太の山、奥に積み上がっているのは伐採した木々の山、燃料は何年分もある)

 使う道具は、チェンソーと薪割り機、どちらも使い慣れないと危険なだけでなく本来の性能も発揮できない。二年目にしてやっと少し使い方が分かりかけてきた。いずれもノコギリや斧に比べて各段に機能的な動力機械だけに、使い方をひとつ間違えると大い怪我の元になる。輸入品の格安製品を買うと、取扱説明書が英文で解読に手間がかかるけれど、英文の取扱説明書は明快で分かりやすい。驚くほど安く手に入り、性能はそこそこ、自分でメンテナンスできる範囲で使える。ネットで購入できる良い時代になったものである。

 本格的に使い込んでゆくと、使い方やメンテナンスの点で難しい問題が出てくるかもしれないが、初心者以上熟練者未満のレベルになんとかなってきたような気がしている。チェンソーなど初めはノコギリのように力を入れて切っていたが、機械のためにもガイドバーやソーチェンなどの消耗品のためにも、軽く優しくオイルの残量に気をつけて、丁寧に扱ってやることが大切だということが分かってきた。樵仕事の真似はたのしい。