武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2005-07-23から1日間の記事一覧

『死にゆく人の17の権利』デヴィッド・ケスラー著/椎野淳訳(発行集英社) 現代における人の死についてやさしく毅然とした人間的な立脚点を確立した書、人間性回復の書。イデオロギーや宗教の傾向的色彩を帯びていないので安心して死について考えることが出来る死者の人権宣言。

この本の「はじめに」の断り書きの中で著者は、この本が書かれた理由を説明している。そこを読むと人の死が時代の刻印を穿たれるということがわかる。現代という時代が、人の人生から死を疎外する時代だということ、本書が書かれた理由もそこにあるというこ…