武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 受動喫煙症の診断基準(写真はタイで売れれているマイルドセブンライトのパッケージ、タバコの自動販売機のポスターにしたいですね。あるサイトからの引用)

toumeioj32005-06-05

昨年の5月に施行された健康増進法の25条は受動喫煙を防止する条項だった。「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。」これを受けて一部のレストランや公共施設がやっと禁煙になった。
 やっと出来たかという思いの方もいようが、この法律は罰則規定を持たないので「努力しましょうね」という努力義務にとどまっている。しかし、被害が立証できれば、この法律を根拠にお店や施設管理者に、受動喫煙被害の損害賠償を請求することが、法的には可能となってきた。健康被害者が本当にかなりいるのです。
 しかし、何を基準に被害を申し立てればいいか分からなかったが、ついに、強い味方、根拠となる基準が試案という形で出来た。たたき台が出来たら、あとは権威あるものに仕上げてゆけばいいわけだ。私も禁煙してから約20年、今では受動喫煙を強いられるのもつらい。喫煙者を甘やかすこの国の体質を変えるために、この診断基準が広く知られ、活用されるようになりますように。以下に、引用する。

受動喫煙症の分類と診断基準(試案)
 日本禁煙学会専門委員会受動喫煙症の分類と診断基準(試案) 
       

レベル0 正常  
     非喫煙者で、受動喫煙の機会がない。

レベル1 無症候性急性受動喫煙  
    (疾患)急性受動喫煙があるが、無症候の場合。
    (診断)タバコ煙に曝露の病歴があればよい。コチニン検出は不要。
    (注意)本人がタバコ煙曝露についての自覚なしに見過ごされることもある。


レベル2 無症候性慢性受動喫煙  
    (疾患)慢性受動喫煙があるが、無症候の場合。
    (診断)週1時間以上の曝露が繰り返しある。コチニンを検出できる。
    (注意)本人がタバコ煙曝露についての自覚なしに見過ごされることもある。


レベル3 急性受動喫煙 
    (疾患)目・鼻・喉・気管の障害、頭痛、咳、喘息、狭心症心筋梗塞、一過性脳虚血発作、脳梗塞、発疹、アレルギー性皮膚炎、化学物質過敏症
    (診断)非喫煙者がタバコの煙に曝露した事実のみで、コチニン検出は不要。
    (注意)眼症状にはかゆみ、痛み、涙、瞬目などがある。鼻症状にはくしゃみ、鼻閉、かゆみ、鼻汁などがある。これらは一般に非喫煙者の方が強い反応を示す。

 1.症状の出現が受動喫煙曝露開始(増大)後に始まった 
 2.疾患の症状が受動喫煙の停止とともに消失する 
 3.タバコ煙以外の有害物質曝露がない の3点があれば、可能性が高い。


レベル4 慢性受動喫煙 
     (疾患)化学物質過敏症アトピー性皮膚炎、気管支喘息狭心症心筋梗塞脳梗塞COPD,小児の肺炎、中耳炎、気管支炎、副鼻腔炎、身体的発育障害など。
     (診断)非喫煙者が週1時間を超えて繰り返しタバコ煙に曝露。曝露後24時間以内に測定した尿からコチニンを検出。
     (注意)但し、1日数分であっても連日避けられない受動喫煙がある場合はこれに起因する慢性の症状やタバコ病が発症する可能性がある。状況を総合的に判断し、1日1時間以内であっても受動喫煙症と診断して良い。

 
レベル5 重症受動喫煙 
     (疾患)悪性腫瘍(とくに肺癌、子宮頚癌、白血病など)、乳幼児突然死症候群COPD脳梗塞心筋梗塞(致死性の疾患の場合)
     (診断)非喫煙者が週1時間を超えて繰り返しタバコ煙に曝露。曝露後24時間以内に測定した尿からコチニンを検出。
     (注意)但し、1日数分であっても、連日避けられない受動喫煙がある場合はこれに起因する慢性の症状やタバコ病が発症する可能性がある。状況を総合的に判断し、1日1時間以内であっても受動喫煙症と診断して良い。

(注)
コチニン検出レベルはガスクロマトグラフィー法または高速液体クロマトグラフィー法で5〜10ng/ml以上とする。

判断に迷うときには専門医(日本禁煙学会認定医など)にご相談下さい。

引用は以上です。