武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 近所の農道脇で見たのと同じ昆虫をフランスでも見かけて昆虫達の繁栄振りに感心したこと(写真は南仏プロバンスの道端で見つけたアカスジカメムシの交尾の様子)

toumeioj32005-08-16

 咲いている花ならどんな花でも、すぐ近くにまで近づいて、匂いがあればどんな匂いか、花びらのたたずまいからおしべめしべの形まで、名前を知らなくても、覗き込むようにして見るようにしている。雑草であろうと庭に植わっていようと、花は何かしら人を引きつける。私は、引き付けられる。
 引き付けられたついでに、カメラを持っているときは、何枚かパチリと写すことにしている。そのうちに気づいたことだが、花にひきつけられるのは私だけではなかった。花の周りには、いろんな虫たちが集っているのである。それも当然、花の香りや豊かな色彩は、昆虫たちに対するサイン、信号だったのだ。広いお花畑など、昆虫達の羽音でブーンと空気が振動しているほどだ。
 花に近寄ることにより、私も沢山の昆虫と出会う。今回面白いと思ったのは、武蔵野の丘陵地、農道脇の少し荒れ気味の花畑で出会ったのと同じ昆虫に、ゴッホで知られている南仏アルルの川沿いの道端でばったり出くわしたこと。しかもですよ、出会ったアカスジカメムシは、この国でもかの国でも、同じように花の先で交尾の真っ最中、こんなことってあるんですね、あまりの不思議にびっくり。でも、考えてみれば、昆虫にとっては子孫を残す営みは条件さえ整えば、やることの中でも最重要事項、30度を越える真夏の環境で、花の先端で出会いがあれば、同じようなことになったとしても不思議なことではなかったのだ。
 武蔵野の農地でも、アルルの道端でも、ファッショナブルな甲羅をまとったアカスジカメムシたちは、一心不乱にくっつきあっておりました。カメムシの仲間には、怒らせると強烈な悪臭をお見舞いしてくる奴がいるので、触らぬ神に祟りなし、いずれも写真を取らせてもらうだけで、そっとしてその場を去りました。武蔵野のアカスジカメムシの画像はhttp://10meioj3.cocolog-nifty.com/sinmusasinohiyorigeta/ に載せてあります。興味のある方はどうぞご覧ください。