武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 何事も調べてみることが大好き、わからないまましておくのが生理的に嫌いなために、これまで多種多様な事典や辞書のお世話になってきた。書棚の一角が全部百科事典や各種の事典、辞書の類にずっと占領されてきていたが、ここ何年か前から、辞典類の書棚に変化が起きはじめた。

toumeioj32005-10-24

 小型の電子辞書が飛躍的に便利になったために、英語や国語など、言葉の意味を扱う辞書の類が、そっくりいらなくなった。長年お世話になってきただけに処分するに忍びなかったが、細かい字がつらいこともあって、とうとうお引取り願うこととなった。小型電子辞書は本当に素晴らしい。何十冊もの辞書が手のひらサイズで持ち歩ける。しかも見やすく文字の大きさまで変えられる。知り合いに薦めるが、使うようになった人からは感謝される。でも、今までどおりのアナログ辞書を使っている人は多い。
 そして、百科事典がデジタル化されて、書棚一つがそっくり空いた。紙の質も良かったが、大型の百科事典の重かったこと。しかも、何十巻もあって、お目当ての項目にたどり着くのが大変、調べごとはちょっとした力仕事だった。それが、デジタル化されて愛用の世界大百科は98年に飛びついて買った。使ってみてうれしかった。細密画のようなイラストが割愛されていたのは残念だったが、たった1枚のCD-ROMにおさまったものを手軽に検索できるのはありがたかった。しばらくは、夢中になった。しかし、今から思うとせっかくのデジタル化なのに、書籍の形を引きずっていて、大胆なデジタル世界へ転換と言う感じはあまりしなかった。過去の遺産が重くのしかかっていた感じと言えばいいか。
 そして、マイクロソフトエンカルタ百科、これには驚いた。マルチメディア百科と銘打っているだけに、サウンドや画像、表やグラフ、視覚化されたデータ満載で、これほど楽しい調べごとができるようになるとは思っても見なかった。しかも、インターネットとスムーズにつながり、追加で欲しい情報については、事典の外と簡単に繋がる仕掛け。情報を全部抱え込もうとはせず、外部に向かって開いた形を採用したことに感心した。これからの知識と情報のあるべき姿をモデルとして見せられた感じがした。開発のためにどれだけの人と労力が集積されたのだろうか、溜め息の一つも出ようと言うもの。今回は2006年バージョンが出るらしい。久しぶりの新しいバージョンを触ってみたい気がしている。