『夜のパリ』ジャック・プレベール(画像は、散歩の途中で見かけたあでやかなスイセン)
蔵書を整理をしていたら、詩のアンソロジーが出てきた。ペラペラとめくっていたら、懐かしいプレベールの詩が注意を引いた。以前に読んで、何というフランスの粋な表現かと、心底感じ入った一編。モンタンがシャンソンで歌い、ご存知の方も多いと思うが引用してみよう。
渋い声でこんな台詞を耳元でささやかれたら、多くのご婦人方は、とてもたまらないのではないか。その一方、余りに気障で蹴飛ばしてやりたくなるかもしれないとも思う。では。
『夜のパリ』 ジャック・プレベール
夜の中 三本のマッチを擦る 一本また一本と
一本目は隈なくきみの顔を見るため
二本目はきみの目を見るため
三本目はきみの唇を見るため
そして真暗闇はそれらをすべて思い返すため
きみをこの腕の中に抱きしめて