武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

エロティシズム

 「SMペディア」という超個性的なSMデータベースのご紹介

先日亡くなったSM小説界の大御所、団鬼六について調べていて、面白いウェブサイトを見つけたので紹介したい。名付けて「SMpedia/SMペディア/SM大百科事典」、今後コンテンツがさらに充実することを期待したい。 http://smpedia.com/index.php?title=SMpe…

 『官能小説用語表現辞典』 永田守弘編 (発行ちくま文庫2006/10/10)

新刊書店をぶらついていて、いつの間にか<官能小説>と呼ばれるコーナーが空間を確保し、だんだん領地を拡大していることが気になっていた。以前に<エロマンガ評論>について書いたとき、<エロの壁>について触れたが、ビデオショップでは、暖簾で仕切ら…

 『一娼婦の手記−ファニー・ヒル−』 ジョン・クリーランド著 中地知夫訳(発行田園書房)

英国産の古典ポルノを代表するファニー・ヒルの日本語訳は、何種類あるのだろう。気になったのでネットで調べてみた。①原笙二訳(美和書院)1951年②松戸淳訳(紫書房)1951年③清水正二郎訳(浪速書房)1965年④吉田健一(河出書房新社)1967年⑤近藤潔訳(角川…

 『我が秘密の生涯』第1巻 作者不詳 田村隆一訳 発行学芸書林

これは、全11巻に及ぶ膨大な性の自叙伝の第1巻、何種類かの日本語バージョンがあるが、この学芸書林版が元になる原版。かなり以前に絶版になっているので、現在は古本でしか入手できないが、稀に見る存在感のある本なので、チャンスがあったら手に入れら…

 『江戸紫絵巻源氏』 井上ひさし著・山下勇三絵(発行話の特集)(画像は本書の表紙+背表紙)

1990年頃を頂点とするこの国のバブル経済期は、経済史的にはとんでもない狂乱物価で庶民が苦しんだ時代だったかもしれないが、文化創造の面から振り返ると、大人にとっては類稀な面白い時代だったともいえないことはない。庶民の頭とお財布がまれにみる…

『夜のパリ』ジャック・プレベール(画像は、散歩の途中で見かけたあでやかなスイセン)

蔵書を整理をしていたら、詩のアンソロジーが出てきた。ペラペラとめくっていたら、懐かしいプレベールの詩が注意を引いた。以前に読んで、何というフランスの粋な表現かと、心底感じ入った一編。モンタンがシャンソンで歌い、ご存知の方も多いと思うが引用…

 「ベッドサイド」(1986〜2000)林あまり(新潮文庫) 

俳句にバレ句というのがある、この人の短歌はほとんど、こんな言葉があるかどうか(笑)、林あまりさんの短歌はとにかく凄い。性感をそのままゴロリと白昼の広々とした交差点の真ん中に放り出したようなあっけらかんとした潔さがある。言葉の組み合わせが喚…