武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

『イチロー2244安打 全部見せます!』の印象記


11/21と1/1にNHKBSで配信した「イチロー2244安打」と言う番組を録画、少しずつ全部見た。途中のニュースや番組の解説を省くとほぼ5時間、番組自体は6時間50分とてつもない長時間番組だった。 (画像はこの番組オープニングのインタビュー場面、大リーグ挑戦時の屈折した思いを語って印象的)
2001年のシーズンから連続10年間、200本を超える安打を打ち続けたシーンをずっと見続けて飽きなかった。ホームランは打球が描く放物線とゆっくりベースを回るランナーの映像だが、安打の打球には一撃一撃に変化があり、走り方は全力疾走、ドラマチックでスピーディ、スリリングでとても美しい映像の連続だった。
以下に10年間の安打数を引用してみよう。記録を見るとどの年も安泰なわけではなかったことがよく分かる、薄氷を踏む思いだった年もあったのだ。

2001年 242本
2002年 208本
2003年 212本
2004年 262本
2005年 206本
2006年 224本
2007年 238本
2008年 213本
2009年 225本
2010年 214本

一年分見終わると一年を元気いっぱいにプレーし続けたその姿から、何だかこちらに元気の波動が伝わって来る。それが10年分となると、10年間を全力疾走して生きた一人の人間の生き方を突きつけられ、この10年自分は何をしてきただろうかと、大差のある稼ぎの違いをさておいても、相当に反省を迫られるような気持ちがして、深い思いに沈み見こんだ。元気に生きようという気力が届けられた気がした。
ファーストベースに近付くあたりの加速する走り方の美しいこと、アウトセーフの息を飲むジャッジ、何度見てもどのプレーも余分なもの一切なしの刹那の美しさ。イチローさんのこれからは、今までのように若くはないので、時には苦渋に満ちた道も歩むこともあるだろうが、少なくともこの10年間の記録は文句なしに素晴らしいだけでなく、人を元気づける力があった。
DVDに移して大事に保存しておこうと思った。