武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 ワンプレートなブレックファスト(7)


 子どもの頃のこと、友達の家へお泊まりに行くのが大好きだった。親しい友達と思いっきり遊べるだけでなく、夕飯や朝食をご馳走になるのが、何とも楽しみだった。自分の家で何時も食べている献立とあまりに違うので、吃驚仰天したことが何度もある。

 それはちょっとしたご馳走だった。思わず「何時もこんなの食べてるの」と聞いたこともある。今思えば、小さなお客さんが来るので、少しよそ行きの歓迎の気持ちを込めた献立だったのである。そんなことにも気付かなかった。

 家に帰って母に、献立の内容と味を詳しく話して、我が家も同じようにして欲しいと我が儘を言って、珍しく酷く怒られたことがあった。「もう二度と友達の家に遊びに行ってはいけない」とまで言われた。あの頃は、何も気付いていなかった、知らないことだらけだった。母には申し訳ないことをした。

 ともあれ、余所の家庭の日常の食卓はすこぶる興味深い。考えようによっては、普段の食卓は、家庭内の最大のプライバシーでもある。「 美味礼讃」のブリア=サヴァランの名台詞、「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人間であるかを言いあててみせよう。」からも分かるように、どんなものを食べているかは、その家庭を判断する有力な手掛かりになる。さすがに、我が家も3食すべてを公開すると、あまりに無防備になってしまうので、ささやかに朝食だけをお見せしている次第。

 外国旅行に行っても、やっぱり知りたいのは、その国の庶民が普段の毎日365日、どんな物を召し上がっているのか、それが気になるけれど、観光客風情には、とても見せてもらえないものと諦めている。

それでは、今朝の献立を紹介しよう、左の上から下へ、ブロックごとに紹介していこう。
・キャベツの温野菜
・ピーマンの温野菜
・蕪の茎のおひたし
・蕗の葉の佃煮
・茹でモヤシ
・豆鰺の南蛮漬け
・カボチャの温野菜
・蕗の旨煮
・大豆と昆布の煮物
・蕪の甘酢漬け
・プレーンオムレツ

それに
ベトナム風香菜(生コリアンダー)スープ(香菜+自家製の割り干しダイコン+油揚げ+春雨)
・白米ご飯7分盛り
・画像に入っていないがコーヒー入りホット牛乳1カップ

ベトナム風香菜スープ>のスープはコンソメ味、ハバネロ抽出液でピリ辛に仕上げてあります。暑かったホーチミン市を思い出しながら啜りました。外は木枯らしピューピューです。