武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 Google アートプロジェクト印象記


この2月2日に公開されたばかりのGoogleのArtProjectを見てみた。グーグルジャパンのブログによると「Googleは、世界的に有名な17の美術館と協力し、1,000以上の芸術作品をオンラインで鑑賞できるアートプロジェクト を開始します。」とある。
http://www.googleartproject.com/ このURLをクリックすると、すぐに英語のArtProjectのコンテンツが開くから簡単。
吃驚したのは、何よりもその画像の精度の高いこと、美術館に足を運んで、まず何をしたいかというと、お目当ての作品に可能な限り近付いて、細部がどうなっているか確認すること、出来れば虫眼鏡を使って、細部を拡大して見たい場合もある。
離れてみたり、斜めから見たり、いろいろな角度や距離を試して、思いのままに満足するまで目に視覚情報をかき集め、気に入った距離からぼーっと眺めてもいたい。
そんなこんなをやってみて、飽きるほど見たら、満足してやっとその絵から離れることが出来る。
遠い國へ出かけた場合、生涯もう二度と来る機会がないかと思うと、こんなわがままな鑑賞態度に浸ることもある。
このArtProjectは、そんな我が儘な鑑賞者の気持ちの一端を、ウェブ上でかなえてくれようとしている、精度の良い拡大画像が一番嬉しかった。飛ぶ鳥を落とすような勢いのあるグーグルでなくては出来なかったことだろう(拍手)。
あと、美術館の外に出で、ストリート・ビューで外周を一回り見て回るのも愉しい。
紹介ブログには「このプロジェクトのアイディアが芽生えてから約 18 ヶ月間に渡り、美術館スタッフの協力を得て、作品の選定や撮影、室内の撮影用に特別にデザインされたストリートビューの機材で撮影をしてきました。」とある。使われている撮影機材は、何種類かあるのかもしれないが、私が見た範囲ではイタリアのウフィッツィ美術館の画像が一番精度が高いような気がした。肉眼では拡大不可能なレベルまで見せてくれる。
現在は17美術館、1000点以上をアップしているという。今後さらに規模を拡大していくと思われるので愉しみ。現在のところ、協力している美術館は以下の通りである。

メトロポリタン美術館−米国
ニューヨーク近代美術館−米国
フリーア美術館−米国
フリックコレクション−米国
アルテ ナショナルギャラリー(旧国立美術館)−ドイツ
絵画館−ドイツ
カンパ美術館−チェコ
ソフィア王妃美術館(ソフィア王妃芸術センター内)−スペイン
ティッセン=ボルネミッサ美術館−スペイン
ナショナルギャラリー −英国
テート・ブリテン−英国
ヴェルサイユ宮殿−フランス
アムステルダム国立美術館−オランダ
ゴッホ美術館−オランダ
エルミタージュ美術館−ロシア
国立トレチャコフ美術館−ロシア
ウフィッツィ美術館−イタリア

日本の美術館がなかったのはチト寂しいが、収蔵品のレベルからすると仕方ないか、という気もしないではない。