武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 朝のワンプレート(32)

《日常の繰り返しに耐えられるか》
 毎日の食事を自分の家事として引き受けてみると、レシピに対する考え方が少しずつ変わってくる。我が家の料理の定番として、受け入れるかどうか。それとも、臨時のホームパーティ用にファイルしておこうか。不味いレストランの記憶のように、二度と訪問することのない忘却の向こうに押しやってしまおうか。
 数年経つと、家事としての料理のラインナップに残るレシピは、それほど多くないことが分かってくる。家族や自分の嗜好や健康状態(痩せたか肥ったか、顔の色つやや精神状態などなど)、家計に占める食費の割合など、それこそ総合的に判断して、我が家にはどんなレシピが適合するか分かってくる。
 そんなこんなで5年も経つと、面白いことが分かってきたので、いくつか拾い上げてみよう。
(1)鍋物は作らないようになった。<理由>どんなに美味しくても、三日間食べ続ける気がしない。食べ方をかなり工夫しないと、栄養的に偏ってしまう。宴会用の臨時レシピにはなっても、日頃の定番料理としては落第だった。
(2)カレーも作らなくなった。<理由>やはり、三日間は食べ続ける気がしない。レトルトでそれなりの商品が出てきているので、手間を考えたらあれで十分。たまに食べる程度。
(3)天ぷら、フライなどもやらなくなった。<理由>時間が経つと、格段に味が落ちて、手間がかかる割には日持ちがしないから、残った揚げ物は、小魚の南蛮漬けぐらい。
(4)ぬか漬けもやらなくなった。<理由>ロングの旅行に出るので、ぬか床の管理がなかなか難しい。別の方法で、たくさんの野菜を美味しく食べる方法を思いついたので、必要が薄まったせいでもある。捨てがたい豊かな味覚だったのに・・・。
(5)和食の味のベースとしての出汁(だし)もとらなくなった。昆布と鰹節を取り寄せるのをやめた。<理由>出汁がなくても、素材それ自体が持っている味で十分に美味しく食べられることが分かってきたから、塩・コショウ・醤油・味噌・酢・砂糖・ゴマ油・サラダ油・オリーブオイルに市販のめんつゆがあれば、ほとんどの調味は事足りる。過剰な美味しさを追求するのをやめにしたのである。
 我が家は、食通でも美食家でもないことがわかった。
 まだまだ、いっぱい出てくると思うが、これ以上書き出すと煩わしいので、このへんでやめておこう。一番困る質問が、「得意料理は何ですか」という質問、数多く作って、変化の妙を楽しむことにしているので、これと言う一品がないのである(苦笑)。以前は、単品として、天ぷらもカレーもけっこう追求していたのに。 

 前置きはこれくらいにして、朝の献立を紹介してゆこう。

6月某日の朝食(上) ・味噌汁(油揚げ、大根、タマネギ、干しエノキ)・ご飯・モロッコインゲン温野菜・トマト・油揚げとゴヤの炒め物・カボチャ温野菜・里芋煮っ転がし・舞茸とナメコの山椒風味旨煮・豆アジの南蛮漬け・プレーンオムレツ・画像にはないがコーヒー入りホット牛乳


6月某日の朝食(下) ・汁物(キャベツ、鶏挽肉、トマトスープ)・ご飯・ブロッコリー温野菜・にんじん温野菜・油揚げとゴヤの炒め物・浅漬けたくわん・舞茸とナメコの山椒風味旨煮・白菜キムチ・豆アジの南蛮漬け・プレーンオムレツ・画像にはないがコーヒー入りホット牛乳