武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 ダイエットの顛末記(1)


 若いときはそうでもなかったが、年齢と共にいつの間にか標準体重を大きく越えてしまった。健康法の一つとして標準体重に近づけたいと思い、体重を計りつつ食事制限に取り組んでみた。いわゆるダイエットと言うことを始めた。目標は標準体重BMI22。
 体重をグラフに記録してみて、驚いた。一日の中で、体重は大きく変化している。飲んだり食べたり、排泄したりしているので当たり前のことなのだが、グラフにしてみると大きく上下に変動するのを目の当たりにしてびっくり。測定時刻をどこにするか迷ったが、一番計りやすそうな、就寝前と起床直後にすることにした。身につける物はパンツ1枚。寒くなる前に結果を出すつもり。
 しばらく計り続けてまたびっくり、寝ている間に200〜500g体重が減っている。睡眠中の基礎代謝と発汗によるもの。最初の頃は、こうした思わぬ小さな発見が面白くて、だんだん体重測定に嵌っていく。
 調べてみると、1ヶ月の体重減少が元の体重の5%を越えると、体内に防衛反応がおきて、体重が減らなくなるとあったが、私の場合はまだその反応が起きていない。5%を可成り越えてしまったので、どんなことが起きるのか、それも楽しみ。
 ダイエットの方法としてライフスタイルの変更は、①間食を一切やめ、②コーヒーなどの飲み物を総てをシュガーレスにすること、③三度の食事は、炭水化物をこれまでの半分にして、④動物性脂肪と動物性タンパク質を少し控えめにする。これ以外のライフスタイルは従来のまま変えないこととする。⑤空腹感に対しては、単純にひたすら我慢の一手、禁煙のときと同じ自分との戦いあるのみ。禁煙の時もそうだったが、シンプルに何にも頼らないのが私の流儀、要するに痩せ我慢でいくということ。この方法を実践した6月分の結果を、グラフにすると、右上の画像のようになる。1ヶ月間にいくつか気付いたことがあったので列挙してみよう。
 ①食事制限をしてみて分かったこと、食べ物を減らしたり残したりする行為は、自分にも他人にも相当の違和感を抱かせる行為であることに気がついた。作ってくれた人に対しては、美味しくないという意思表示になり、失礼に当たる可能性があること。体調を気に掛けてくれている隣人には、具合が悪いのかと余計な心配を掛けてしまいかねないこと。食のモラルとしても、残して勿体ないと言う思いにかられてしまうこと。目出度く完食する人に比べてなんだか不健康感じで旗色が悪い。大した理由もなくダイエットを始めた自分にとっては、このように周囲へ波風を立ててしまうとは、思いもよらないことだった。ダイエットは禁煙以上に人騒がせな行為だった。
 ②困ったことに味覚が感激するような美味そうな料理ほどカロリーが高いと来ている。全部食べないで半分とか一口二口残すのは、何ともつらい不自然な行動となる。ダイエットしているんだから我慢すると思うとなおさら不自然さが目立っていけない。そこで考えた。食事とは、身体が必要としている分量を食べる行為だと、必要もない物を食べ過ぎるから太るので、必要な分量を自分で決めればいいと考えることにした。食事とは、必要量を食べること、そう自分に念押しして途中で箸を止めるようにした。正確なことは分からないが、一日三食の必要量を1600カロリーから2000カロリーの間に納めることにしているつもり。
 来月になって、どんな報告になるか、自分にとっても楽しみである。