武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 朝のワンプレート(13)


 今回はこのシリーズでは珍しいブックレビュー、書名は『まずはゆでる!』、著者は10年以上アメリカ生活をなさったことのある城川朝さん。内容は、野菜をたくさん食べる手立てとして、買ってきた野菜は切って軽くゆでるところまでを先にやってしまってから、冷蔵庫に保存しておこうという提案である。
 野菜の種類ごとに、ゆで時間を秒単位で細かく設定してあり、考え方としては基本的に賛成である。タイマーを使いながら野菜をゆでるというスタイルはよく似ている。少し違うのは、葉物野菜については、この著者は沸騰したお湯を使うようだが、私は野菜の耐熱性に応じて、60度から100度までの間で、個別に温度管理するようにしていること。私の場合は、タイマーと温度計の両方を使う。
 例えば、花ワサビは60度で5秒、水菜は70度で10秒、ブロッコリーは80度で30秒、春菊は100度で10秒などなど、微妙な違いはあるものの、考え方は基本的に同じである。根菜類は、100度か場合によっては、圧力鍋を使って100度を超える場合もあるし、カボチャやサツマイモの場合は電子レンジを使う。
 冷蔵庫による保存方法は、全く同じ、保存容器の使い方も同じ。ほとんど再加熱しないで和え衣やドレッシングの工夫で、そのままほとんど手間をかけないで食べることを推奨しているのにも同感。本書には再加熱するレシピが沢山並んでいるが、料理本としての体裁を整えるための付け足しのような気がする、基本的なコンセプトがこの本のセールスポイント。
 料理が大好きで、手間をかけた料理を生き甲斐にしているような人には無用かも知れないが、私のように無精なくせに自分で作りたい人にとっては、とても参考になる料理本。2002年発行のやや古い本だが、最近、偶然に古書店で手にして気に入って衝動買いしてしまったもの。久しぶりに、考え方に共感できる料理本に出会ってうれしい。

 前置きはこれくらいにして、朝の献立を紹介してゆこう。

4月某日の朝食(上) ・味噌汁(油揚げ、生椎茸、菜の花、切り干しダイコン)・ご飯・蕪の葉のおひたし・ニンジンの温野菜・京菜のおひたし・レンコンのきんぴら・小松菜のおひたし・カボチャの温野菜・ブロッコリーの温野菜・牛蒡のキンピラ・アスパラガスの温野菜・厚揚げの旨煮・花ワサビの浅漬け・プレーンオムレツ・画像にはないがコーヒー入りホット牛乳

4月某日の朝食(下) ・味噌汁(油揚げ、豆腐、干し椎茸、切り干しダイコン)・ご飯・蕪の葉のおひたし・牛蒡のキンピラ・小松菜のおひたし・レンコンのきんぴら・ブロッコリーの温野菜・蕪の甘酢漬け・白菜キムチ・花ワサビの浅漬け・プレーンオムレツ・画像にはないがコーヒー入りホット牛乳