武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 退職者の日々、第2段階へ(8)

 2月の某日、売主との面会日、交渉にあたって準備したことは、土地と建物についての適正と思われる価格計算書と不動産購入申込書。こちらの方針としては、購入目的と適度の自己紹介により、この人たちなら売っても心配ないことを分かってもらうための自己紹介と情報提供に努めること。

 売主から依頼を受けた仲介者と、現地を案内してくれた仲介者の二人と、売主と私たち、交渉の最初は初対面同士の緊張感に包まれて始まったものの、途中から笑いも混じる和やかで共感的なものになり、最終的な価格交渉は、こちらが提示した価格ですんなりと落着、希望通りの<適正価格>と思われる値段でめでたく交渉が成立。

 準備していた価格計算書を出すこともなく、あっけない決着に私たちは、喜びの言葉を繰り返しながら、長かった空き家探しに終止符が打たれたことをしみじみと実感しながら、帰宅の途についた。

 これで、第二の人生のベースキャンプとなる空き家探しの物語は終り。次からは、高齢者による高齢者のための中古住宅改造計画になるものと思われる。ということで、このお話は、ひとまずここでハッピーエンドとなりました。(退職者の日々、第2段階へ−終了)