武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 蝶の食卓???私の手

 戦場ヶ原ハイキングの折に、奇妙なことがあった。なにを間違ったのか、周りをまとわり付くように飛んでいたチョウが、私の手の甲に止まり、口を伸ばして薄っすらと滲んだ汗を舐めはじめた。チョウの口が触れているところが、ちょっと冷たくて、かすかに舌のようなもので舐められているのを感じた。汗なので、塩分を含み、ちっとも甘くないはずだが、追い払っても戻ってきて再び舐め始める。くすぐったいような実に奇妙な感覚だった。

 不思議なことなので、左手に止まらせて、右手でカメラを構え何枚かシャッターを押した。しばらくして、水分と塩分の補給がすんだのか、そのチョウは湿原の方へ飛んでいってしまった。自宅に帰ってから、ネットで探してみたら、チョウの口の電子顕微鏡画像を公開しているサイトを見つけた。こんな奇妙な口で舐めていたのかと思うと、不思議な気がした。他にも面白い走査型電子顕微鏡画像を公開しているので、下記のアドレスを辿ってみてほしい。
http://www.asahi-net.or.jp/~qf7n-adc/choukuchi.html