武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 『なにをどれだけ食べたらいいの』 香川芳子監修 (発行女子栄養大学出版部2005/11/20)


 表紙をめくると、非常にわかりやすいフレーズが目に入る。文句のつけようのない導入なので、引用しよう。

これを食べれば健康になれる、
という食べ物はありません。
これを食べたら不健康になる、
という食べ物もありません。

たいせつなのは、いろいろな食べ物を
バランスよく食べること。
このバランスは、あるルールを覚えることで、
簡単に実行することができます。
そのルールとは……。

 栄養学の知識を実践的に啓蒙するのに、これほど適切なフレーズは他にみたことがない。見事な導入である。
 内容はどうか。大きく3つの柱によって構成されている。1の柱が「なにを食べたらいいの?」と題する栄養素による食品のグループ分け、香川方式と呼ばれる四グループが、鮮明な写真で示されている。見開きページにおさめてあり解説は簡潔でわかりいい。
 2の柱では「どれだけ食べたらいいの?」と題して、香川方式の特徴である1点80kcalの分量が写真で視覚的に示してある。香川方式が受け入れられるかどうかは、この80kcalを1点とする考え方をどう評価するかで決まる。私は、素晴らしい着想という気がする。
 3の柱では、具体的な献立の立て方となる。1日3食の理想的な献立を示されると、少し腰が引けてしまう。性別、年齢別のバリエーションを指示してあり、至れり尽くせり、かゆいところに手が届く感じなのだが、私は適当に参考にしましょうと呟く程度でとばし読みしてしまった(苦笑)。
 というような訳で、私は決してこの本の忠実な読者にはなれそうもないが、この本がわかりやすい栄養についてのベスト近い啓蒙書であることには変わりはない。100ページ足らずのスペースに、よくこれだけの内容を精選しておさめたと感心した。最後に、本書の目次を引用しておこう。

はじめに
◎なにを食べたらいいの?
・食品にはどんな特徴があるだろう
・栄養素を大きく分けると5つになる
・食品のグループを紹介します
  第1群 乳・乳製品.卵
  第2群 魚介、肉、豆・豆製品
  第3群 野菜、芋、果物
  第4群 穀類、油脂、砂糖など
・クイズ これは第○群?

◎どれだけ食べたらいいの?
・よく使う食品の1点あたりの重量
・第1群から第4群までを、どう組み合わせたらいいの?
  パターン1和風献立
  パターン2洋風献立
  パターン3間食を加えて
  パターン4多種類の食品を組み合わせて
  パターン1をアレンジ
  食品をかえで脂質を減らす
  脂質を減らす5か条
  パターン2をアレンジ
  食品をかえてコレステロールを減らす
  コレステロールを減らす4か条

◎家族の献立を立てて見ましょう
・どんな食品をどう組み合わぜればいいの?
  お母さんの朝食、昼食、夕食
  お父さん、お姉さん、ぼく/の献立
・第1群にもっとくわしくなるページ
・第2群にもっとくわしくなるページ
・第3群にもっとくわしくなるページ
・第4群にもっとくわしくなるページ
・4つの食品群の栄養価と標準栄養配合
・四群点数法で体重コントロール
・四群点数法のQ&A

 栄養についての知識は、この本1冊で十分という気がした。ダイエットに興味をお持ちの若い方にお勧めしたい。文句のつけようのない健康的なダイエット法が提案されている。健康的にやせる方法が分かります。
にほんブログ村 おすすめ本