武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 『イタリア・ルネサンスの巨匠たち全30巻』 (発行東京書籍)

 このシリーズの特徴は、解説文がほぼ時系列にそって記述されていて、作品の重要さの程度に応じて画像の大きさを変え、記述にあわせて部分拡大なども織り込み、図版と伝記的経過が巧みに組み合わされて非常に分かりやすいところ。1冊を読めば、画家の生涯と主要作品が、適度な情報量として読者に提供される仕組みになっている。
 1冊1冊が独立した美術書として通用するほど高いレベルにあり、美術愛好者の好奇心を十分すぎるほど満足させられる水準にまとまっている。このシリーズを読み終えてからイタリア旅行に行けばどんなに楽しいか、考えただけでわくわくする。イタリア・ルネサンスが美術の面でどんなに収穫の多い時代だったか、想像していた以上に新しい視界が開けたよう読後感が残った。
 90年代半頃の出版なので今は全巻入手しにくいシリーズとなってしまった。私は少しずつ図書館から借りだして楽しんでいる。美術関連のシリーズものの中でも傑出した叢書と高く評価したい。どれか1冊でもいいから、是非手にとってご覧頂きたい。以下に、画像と書名をセットにして引用しよう。
 画像の精度が非常に良く、中身をお見せできないのが残念。大変に美しい画集です。


01 チマブーエ Cimabue
02 ジョット Giotto di Bondone
03 マザッチョ Masaccio
04 ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ Duccio di Buoninsegna
05 シモーネ・マルティーニ Simone Martini
06 ロレンツェッティ兄弟 Ambrogio Lorenzetti  Pietro Lorenzetti
07 フルネレスキ
08 ドナテッロ
09 ルカ・デラ・ロッビアとその一族
10 フラ・アンジェリコ
11 パオロ・ウッチェロ/ドメニコ・ヴェネツィアーノ/アンドレア・デル・カスターニョ
12 ベノッツォ・ゴッツォリ

13 フィリッポ・リッピ
14 ボッティチェリ
15 ドメニコ・ギルランダイオ
16 ピエロ・デッラ・フランチェスカ
17 マンテーニャ
18 レオナルド・ダ・ヴィンチ

19 シニョレッリ
20 ラファエロ
21 ポントルモ/ロッソ・フィオレンティー
22 ジョヴァンニ・ベッリーニ
23 カルパッチョ
24 ティツィアーノ

25 ミケランジェロ
26 アンドレア・デル・サルト
27 チェリーニ
28 コレッジョ
29 カラヴァッジョ
30 ベルニーニ


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