武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 新たな生活空間の構築(49)


《山荘生活2年目の驚き》


山荘での二地域暮らしを始めて2年目の初夏を迎える。
驚いたのは、自然の営みの変化の激しいこと。
昨年の同時期と比較してみてもその大きな変化に戸惑うばかり。
三四日空けて現住所から移動してみると草木の成長振りに目を見張るだけでなく
新しい山野草が発芽して成長をはじめていることを発見、
到着すると直ぐに長靴に履き替えて雑木林を一回りすると
何かしら吃驚することに必ず出会う、それは愉しい。
もしかすると一箇所に定住している場合には気がつかない変化かも知れない。

(大きい方のヤマユリの蕾)

その一、自生のヤマユリがすっかり大きくなり
中には5個6個と沢山の花芽をつけている大物もある。
ところが残念なことに、今年もイノシシが赤城山から下りてきて
何本ものヤマユリが球根を堀り上げられて食べられている。
穴の脇で球根のなくなったヤマユリが惨めに倒れている。
不在の日が何日か続くと今後も被害が続くことになるだろう、
この歓迎されざる訪問者、何とかならないものだろうか。

(土の色が見えるのがイノシシが掘った穴、球根だけがなくなっている)

その二、桜が咲く頃の新緑の勢いもすごいが、
梅雨の頃の溢れかえる緑の季節はもっとすごいことをご存知だろうか。
しばらく留守にした後雑木林を歩き回ってみると
見かけたことのない山野草が毎回と言っていいほど新たに見つかるのである。
植えたつもりはないので野鳥が運んできたのだろう。
今回はシモツケソウが愛らしい花を着けているのに気がついた。
二箇所で実生の苗木が育ってきている。

(咲き出したシモツケソウの愛らしい花)
その花に誘われて名前のわからない甲虫が蜜を吸いにきていた。
去年も咲いたホタルブクロの小群落も大きくなり
今年も小さな提灯のような紫の花が咲き出している。



(多分ヤマデマリの花、そして群がる甲虫)
その三、前回来た時には蕾の状態だったのに
今回は花を開き、甘い香りをあたり一面に漂わせている低木があった。
近づいてゆくと、香りに誘われた虫たちが集まっており
ブーンと周りの空気の細かな振動が伝わってくるほど
花に群がって、ハチも甲虫も皆食事に集中している。
図鑑で調べてもよく分からないがヤマデマリではないかと考えている。こうちゅう
甲虫の羽音は、体の密度が高いせいか、比較的重い体で飛ぶために
激しく羽を震わせするのか、小さなカブトムシが飛ぶときのようにブンブン空気を震わせて
しかも何匹も飛び回るのでミツバチの巣箱のようににぎやかの音がしている。
梅雨のころの植物たちの勢いには瞠目するものがあり、思わず圧倒される。