武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 インターネットで図書館が便利になったこと

 子どもの頃から、本屋や図書館で過ごす時間が好きだった。いろんなジャンルの書架を眺めながら歩き回ると、思いもかけない刺激があって、好奇心の対象が広がることがある。ふと気になって手を伸ばした本が、新たな世界を開いてくれたことが何度もある。書架の間を歩いていると退屈しない。
 また、もっと詳しく調べる必要があって、書店や図書館に足を向けたことは、数え切れない。なかなか見つからなくて、いくつもの書店をハシゴしたりして、足が棒のようになったことも何度もある。図書館のハシゴには、チト辛いものがあるのをご存知だろうか。
 ところが、インターネットを使うようになって便利になったことの一つに、検索の機能が発達したおかげで、書店や図書館のハシゴがいらなくなったこと、私にとっては、これがインターネットの最大のメリットかもしれないという気がする。
 図書館や書店は、深夜に使えるところはないが、インターネットなら何時でも使えるので、翌日を待つ必要がないのが嬉しい。疑問が、手短かに氷解することの安心感、これは素晴らしい。
 探し物の本も、まず、地元の図書館の蔵書を、インターネットで探してみる。ありふれた本ならたいがいそこで見つかる。予約できるかどうか確かめて、予約できたらそれで終わり。購入したくなっても、古書店のサイトやamazonを検索すると、たいがい定価よりも安く購入できることが多い。
 インターネットで困ることと言えば、興味のままに世界が広がりすぎて、いちいち購入していると財布がどんどん軽くなってしまうことと、書庫に入りきらなくなってしまうこと。贅沢な悩みではないか。