武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 他人事ではない−蔵書で圧死が続発している?


 故草森紳一さんの「随筆本が崩れる」を読んでいて、蔵書が崩壊することによる死亡事故が気になり、ネット上を調べてみて吃驚、3・11以降今年はやたらと地震が多いが、何と6月から毎月、地震によって崩れてきた本による圧死事件が3件も発生していた。詳しいことは分からないが、記事によるとどうも3件とも一人暮らしのいわゆる<孤独死>らしい。
 本が沢山あるという点では、図書館や書店、古書店、研究室など、他にも多くの危険個所があるけれど、本が崩れてきて圧死したという話はあまり記憶にないので、これはどうしたことだろう。大きな本棚が倒れてきて、小さい子が下敷きになり重体になったというニュースを思い出した。今回は、どうも平積みにしてあった大量の本が崩れてきたらしい。
 ちなみに蔵書を無秩序に積み上げていることにかけては、我が家も相当なものだと自負しているが、3・11大震災では数冊落ちてきた程度だった。大きな揺れだったので蔵書の少ない部屋に一時的に避難して揺れがおさまるのを待ったという次第。気になったので、3件の事例を引用しておこう。

(例1)<宮城県>男性(37)
宮城県警は6月16日、仙台市青葉区の男性会社員(37)が、自宅アパートで数百冊以上のマンガや雑誌などに埋もれて死亡しているのを発見したと発表した。県警では岩手・宮城内陸地震で災害死した可能性もあるとみて死因を調べている。(産経新聞)2008.06.17

(例2)<長野県>男性(44)
7月1日午前10時ごろ、長野県松本市並柳のアパートで、住人の会社員、Yさん(44)が本の下敷きになって死亡しているのを県警松本署員が発見した。県中部を震源とする6月30日の地震で、同市は震度5強を観測しており、県警は室内に積んでいた本が地震で崩れ、Yさんは下敷きになったとみている。この地震による死者が確認されたのは初めて。
 同署によると、Yさんの勤め先の同僚から1日朝、「出勤してこないので安否を確認してほしい」という通報があり、署員がアパートを訪れて遺体を発見した。(毎日新聞)2011.7.1

(例3)<静岡県>女性(43)
8月11日早朝に発生した駿河湾沖を震源とする地震で、静岡県警は12日、マンション室内で大量の本に埋もれた状態で死亡していた女性を、地震による死者と判断した。この地震による死者は初めて。静岡市は同日中にも災害死亡者として認定する見込み。
県警静岡南署によると、死亡していたのは静岡市駿河区南町の会社員、Iさん(43)。11日午前9時50分ごろ、地震後に連絡が付かないことを心配したIさんの母親から119番通報を受けた同署員らがマンションを訪問。大量の書籍や約30冊の本を収納したプラスチック製ケースに埋もれ、布団の上であおむけに倒れたIさんを発見した。
解剖の結果、死因は胸腹部の圧迫による窒息死と判明。同署は地震で崩れた書籍が胸や腹を圧迫し、窒息したとみている。同署によると、Iさんは1人暮らし。室内には天井に届くほどの高さまで、数千冊の書籍や雑誌が平積みにされていた。(産経新聞)2009.8.12

 愛着のある蔵書とは言え、崩れてきて押しつぶされるのはやっぱりイヤ、いつも気にしていたことだから、改めて対策を真剣に考えてみようと言う気になった(苦笑)。
 思い入れのある沢山の蔵書とともに暮らしておられるお仲間に、言わずもがなのご忠告のつもりでUPしました。