武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 新たな生活空間の構築(75)


《二匹の猫に大ワラワ》

 前回、1年ほど前から山荘に遊びに来るようになった野良猫サンちゃんの恋の季節のことを書いたが、相当に強いライバルが現れたらしく、可なりの怪我をしていたのが心配で(笑)、あまり間をあけずに再度山荘に行ってみた。もちろん迷い猫チーちゃんを連れて。

 案の定、サンちゃんは直ぐ遊びに来たものの、顔を見るなりツレが顔を背けるほどのひどい怪我、向かって左側の頬のあたりに灰色がかった500円玉二個分ほどの瘡蓋がかぶさり、顔半分が腫れて左目が見えにくそう。鳴き声にも元気がなく、サンちゃんが闘いに敗れたらしいことは一目瞭然、猫の友人としては、元気付ける意味で餌をたっぷりあげるしかなかった。

 一度引き上げた後で帰ってきたときは、もう一度戦ったのか、自分で剥がしたのか瘡蓋が大きく剥がれかけていた。チャンスだったのでサンちゃんを抱き寄せ、剥がれかけた瘡蓋は強引に剥ぎ取り、ティッシュを重ねた上から消毒液マキロンをたっぷり含ませて傷口を何度も消毒してやった。傷を治す薬はないので、化膿しないようよう消毒をして、身体の治癒力に委ねるしかないのは、人も猫も同じ。サンちゃんは大人しく目を閉じてされるがままになっていた。

 翌日きた時には傷口はきれいに瘡蓋がはり、消毒したので傷のまわりの皮膚もきれいになり、最初思ったほど怪我の程度はひどくないことが分かった。回復が順調で、顔の腫れもひき、サンちゃんの甘えようはいつもより濃厚になったような気がした。その次の日の朝も、自分で掻き毟ったのか再び瘡蓋が取れていたので、もう一度丹念に消毒してやり、ようやく今回の怪我の回復の目処がたってきたことだった。(右の画像は、傷口の消毒が済んで、大人しくしていたご褒美の煮干を見上げているサンちゃん)

 ところで迷い猫のチーちゃんの方はと言うと、神経質なメス猫なので、一時的に読書室に隔離、ストーブをつけ猫トイレと水と餌を置いて、サンちゃんの相手をしながら、時折ご機嫌伺い。私とツレは、いつの間にかこうして二匹の猫に振り回されているという山荘生活、山荘購入時には、想像もしなかった猫との共同生活にどっぷりハマッてしまっている(苦笑)。