武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 「面白本ベスト100」 北上次郎著(発行本の雑誌社)

 以前にも「冒険小説ベスト100」なる同じ著者の読書案内を紹介したことがあるが、これはその続編。http://d.hatena.ne.jp/toumeioj3/20080326 
 北上次郎さんの面白い本を探し出す鑑識眼の確かさもさることながら、本を紹介する語り口が気に入っている。面白い本を「面白いから」と言うだけでは芸がない。いかに面白いかを手を替え品を替えして、情熱をこめて紹介するから「紹介の仕方」が面白くなる。

 私は北上さんの推薦する本から、自分にとって面白い本を何冊も見つけて感謝している。限りなく無数といっていいほど増え続ける本の洪水の中から、本当に面白い本にたどりつくのは、今や生易しいことではない。効率よく失敗少なく面白本に辿り着くには、上手な水先案内人がいた方がいい。何人かのお気に入りの書評家をチェックしているが、北上さんも大事なその一人。
 一番いいのは、この本を買うか借りるかして読むことだが、100冊全部の書名と作者を引用しておこう。順番に見てゆくと、ジャンルを問わずかなりの時代の幅で探していることから、桁外れの読書家であることがわかる。おそらく過酷な読書からの収穫に違いない。
 題名だけ見て面白くないだろうとパスしていた本や、よく知らない作者で機会がなく手にしたことがないものが多い。一度には無理だが、少しずつ借りたり買ったりして目を通してゆこう、これはそのためのメモ。

『監督』        海老沢 泰久著
『結婚します』     山口 瞳著
『三人姉妹』      見延 典子著
『運命の剣 のきばしら』 中村隆資火坂雅志、東郷隆、宮部みゆき
シコふんじゃった。』 周防 正行著
『昭和水滸伝』     藤原 審爾著
神々の山嶺』     夢枕 獏著
『流転の海』      宮本 輝著
『黒い家』       貴志 祐介著
『荒らぶる魂』     西村寿行
石狩平野』      船山馨著                
『乱』         綱淵 謙錠著
ななつのこ』     加納朋子
開封死踊演武 朱雀篇』 藤水名子著
『僕を殺した女』    北川歩実
『雪の断章』      佐々木丸美
『極道記者』      塩崎利雄著
『風紋』        乃南 アサ著
『ヴィーナスのえくぼ』 加賀 乙彦著
『冬のオペラ』     北村 薫著
『行きずりの街』    志水 辰夫著
『択捉海峡』      畑山 博著
『蕎麦ときしめん』   清水 義範著
『夏草冬濤』      井上 靖著
『恵比寿屋喜兵衛手控え』 佐藤 雅美著
『暗い落日』      結城 昌治著
『奇跡の人』      真保 裕一著
『二人の始発駅』    長部 日出雄著
『幾世の橋』      澤田 ふじ子著
『夢の女』       小桧山 博著
『夢介千両みやげ』   山手樹一郎
『東京大地震M8』   生田直親著
『片意地へんくつ一本気 下田うなぎ屋風流噺 』 高橋治著
マーマレードの朝』  片岡義男
『冬の旅』       立原正秋
『小説兜町(しま)』  清水一行
『女たちのジハード』  篠田節子
『あ・うん』      向田邦子
『ストリート・チルドレン』 盛田隆二
蝉しぐれ』      藤沢周平
『カムバック』     高橋三千綱
愛を乞うひと』    下田治美著
火車』        宮部みゆき
『グランプリで会おう』 油来亀造著
『峠越え』       羽太雄平著
雷電本紀』      飯嶋 和一著
ソリトンの悪魔』   梅原 克文著
『赤いダイヤ』     梶山 季之著
『今夜、すべてのバーで』 中島 らも著  
『天山を越えて』    胡桃沢 耕史著
ジェームス山の李蘭』  樋口 修吉著
『樹の上の草魚』    薄井 ゆうじ著
 
『ぼくの美しい人だから』 グレン サヴァン著、雨沢 泰訳
『青い湖水に黄色い筏』 マイケル ドリス著、村松 潔訳
『眠りネズミは死んだ』 パトリック ルエル著、羽田 詩津子著
『フィーヴァードリーム』 ジョージ・R・R・マーティン著 増田まもる
『ファイアフオックス・ダウン』クレイグ トーマス著、山本 光伸訳
『過ぎ去りし日々』   ロバート・B. パーカー著、菊池 光訳
『リプレイ』      ケン・グリムウッド著、杉山 高之著
モヒカン族の最後』  ジェイムズ・フェニモア クーパー著、犬飼 和雄訳
パンドラの匣』    トマス・チャステイン著、後藤 安彦訳
『天使の復讐』     フィリップ シェルビー著、 和泉 晶子訳
『ウォー・チーフ』   エドガー・ライス バローズ著、厚木 淳訳
『メイの天使』     メルヴィン・バージェス著 石田善彦訳
『サイコメトリック・キラー』 ダイナ・グラシウナス著 ジム・スターリン著 小林理子訳
流刑地サートからの脱出』リチャード・ハーレイ著 吉浦澄子訳
『涙のデザート』    パティ・マスマン著 スーザン・ロッサー著 中谷ハルナ訳
『死にいたる愛』    デイヴィッド・マーティン著 渋谷比佐子
『ロスノフスキ家の娘』 ジェフリー・アーチャー著 永井 淳訳
書剣恩仇録』      金 庸著 岡崎 由美訳
上院議員』 リチャード バウカー著、高田 恵子翻訳
『罪のゆくえ』     バーバラ・シャピロ 小津 薫訳
『静寂の叫び』     ジェフリー ディーヴァー、飛田野 裕子訳
『ドクターズ』     エリック シーガル著、広瀬 順弘訳
ドッグ・イート・ドッグ』 エドワード バンカー著、黒原 敏行訳
『ろくでなしボーン』  ドロシー アリスン著、亀井 よし子訳
『ふくろうの叫び』   パトリシア ハイスミス著 宮脇 裕子訳
マルティン・ベック・シリーズ』 マイ・シューヴァル、ペール・ヴァールー著、 高見 浩訳
『水の戒律』      フェイ ケラーマン著、高橋 恭美子訳
『最悪のとき』     ウィリアム P.マッギヴァーン著 井上 勇訳
『ストーン・シティ』  ミッチェル スミス著、東江 一紀訳
『氷の男』       フィリップ マーゴリン著、田口 俊樹訳
『ホップスコッチ』   ブライアン・ガーフィールド著 佐和誠訳
『真夜中の相棒』    テリー・ホワイト著 小菅正夫訳訳
『重力の使命』     ハル・クレメント浅倉久志
『復讐のタイタン』   フレッド・マスタード・スチュアート著 水上峰雄訳
こうのとりクラブ』  アイリス・レイナー・ダート著 松井みどり
『子供の消えた惑星』  ブライアン・オールディス深町真理子
『愛しい女』      ピート・ハミル著 高見浩訳
『夢果つる街』     トレヴェニアン著 北村太郎
ディスクロージャー』 マイクル・クライトン酒井昭伸
『アイランド』     トマス・ペリー著 二宮磬訳
『熱い十字架』     スティーヴン グリーンリーフ、黒原 敏行訳
シンプル・プラン』  スコット・B. スミス著、近藤 純夫訳
『鮫とジュース』    ロバート キャンベル著、東江 一紀訳
『さよならは言わないで』 ロバート ゴダード著 奥村 章子訳
『刑事の誇り』     マイクル・Z・リューイン著 田口 俊樹訳
『フラッド』      アンドリュー ヴァクス著、佐々田 雅子訳
『赤ちゃんはプロフェッショナル』 レニー・エアース著 宇野 輝雄訳
『戦慄のシャドウファイア』 ディーン・R. クーンツ著 白石 朗訳訳