武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 『究極!IQナンプレ』 タイムインターメディア著 (発行学習研究社2008/10)

 もうこれ以上ナンプレ本のインプレッションを書くのはやめようかと思っていたが、数ヶ月もの間、抜群の難問で楽しませてもらったお礼に、このクイズの本を紹介しよう。
 いかに難しいかについてお知らせしておこう。この本では、難易度を200段階に分類、最初に出てくるレベル100の問題の初期配置の数字が18個、20個を下回ると難問になると言われているが、第1問が18個とは、何とも挑戦的、それだけではなく、最後の何問かは最高難易度の200以上と表記されている。自信がある人の意欲をかき立てる仕掛けは十分、そして確かに難しい。
 私は昨年10月頃に購入、年を越してこの2月になってもまだやっている。200問あるので1日1〜2問のペースでやっていると相当長く楽しめる。ペラペラページをめくってみると、難しいだけではなく相当の遊び心が隠されていることに気がつく。1例を引用すると、ハートの形に数字の順番まで加えて問題を作っている。他にも面白い遊び心満点の傑作がいくつも掲載されている。あまりに楽しい傑作は、鉛筆で解いた後、消しゴムで消して元の形に戻してある。 (左の画像は、例題を1問引用したもの、バレンタイン向きの楽しい問題だが、結構な難問)

 ただし、多忙な人には、絶対にお勧めしない。以前、ツアーでご一緒したある主婦の方から、ナンプレは面白すぎて時間を取られて家事か滞るので、止めたという話を伺ったことがある。エジプトの現地ガイドから、仕事をさぼる原因となるパズルとして、エジプトでも評判になっていると冗談交じりに指摘されたことがある。
 この本は、ある程度上達した人向けだが、底なしに時間を浪費してしまう、何とも困った素晴らしいパズルブックである。お勧めして、恨まれやしないかと心配なほどに面白い。580円は、決して高くない。