武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 「桑田佳祐MUSICMANスペシャル」の印象記


3月5日の20:00からWOWOWで放送された「桑田佳祐MUSICMANスペシャル」をみた。2月23日に発売なったばかりのアルバムを元にした11曲のスタジオ録画映像と桑田本人を中心としたトークの組み合わせで、ファンには見逃せない良い番組に仕上がっていたので、少し印象を記しておきたい。
昨年7月に初期の食道癌であることが報道され、入院と療養のため音楽活動を休業していたことはご存知の方も多いだろう。56年生まれの55歳、普通ならそろそろ自分の人生の展望と限界が見えてきて、外世界への関心も限定的になってきておかしくない年齢なのに、17曲と大量の新曲を詰め込んだ新アルバムの猥雑極まりない多様性と衰えぬ創作意欲がなんとも凄い。
以下にアルバム「MUSICMAN」の全曲目を引用しておこう。

1. 現代人諸君!!
2. ベガ
3. いいひと ~Do you wanna be loved ?~
4. SO WHAT ?
5. 古の風吹く杜
6. 恋の大泥棒
7. 銀河の星屑
8. グッバイ・ワルツ
9. 君にサヨナラを
10. OSAKA LADY BLUES ~大阪レディ・ブルース~
11. EARLY IN THE MORNING ~旅立ちの朝~
12. 傷だらけの天使
13. 本当は怖い愛とロマンス
14. それ行けベイビー!!
15. 狂った女
16. 悲しみよこんにちは
17. 月光の聖者達

番組では、この中から11曲が選ばれ、曲のイメージに合わせて作られた特設セットを背景に熱唱が流れた。11の全く違う映像とともに聴く新桑田ワールドには、CDでもコンサートでも表現不可能な、オムニバス短編映画を見るような映像的な愉しみがあった。歌作りだけでなく、番組制作に向けたビジュアルを生かした桑田の創造力は素晴らしい。レトロ感覚あふれるサイケ調とでも言えばいいか、エネルギッシュだがどこか一抹の哀感をまとった不思議な映像感覚だ。番組から元気の素のようものが伝わって来る気がして眼が離せなくなり、楽曲に合わせて身体を揺すっていると血行が良くなる感じがした(笑)。
余談になるが、番組でみた桑田さんの腕や指の細くなっていたこと、相当に厳しい療養期間だったのかもしれない。
以下に番組の中で歌われた曲目と順番を引用しておこう。

1. 現代人諸君!!
2. 悲しみよこんにちは
3. SO WHAT ?
4. 本当は怖い愛とロマンス
5. いいひと ~Do you wanna be loved ?~
6. 傷だらけの天使
7. 銀河の星屑
8. グッバイ・ワルツ
9. 恋の大泥棒
10. OSAKA LADY BLUES ~大阪レディ・ブルース~
11. それ行けベイビー!!

WOWOWでは、そのうち必ず再放送があるので、見逃した方は是非ご覧になるようお勧めしておきたい。