武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 池田20世紀美術館(静岡県伊東市)

toumeioj32006-11-18

 4日間ほど伊豆へ旅行に行ってきた。その折に立ち寄った「池田20世紀美術館」が、周辺の環境を含め美術館の建物、収蔵品のレベル、展示方法など、いずれも素晴らしく、見事な20世紀の現代美術を堪能する時間を過ごさせてもらった。美術の書籍などの画像提供先としてよく目にしたことはあったが、実際に美術館にいったのは初めてだった。
 美術館の入り口を地上階とすると、地上2回分のスペースを使い、収蔵品の常設展示。これが凄い。ピカソ、ダリ、シャガール、ミロ、ウォーホールなどなど、美術教科書に登場するレベルの有名作品がずらり、見やすい配置で展示してある。ここにあったのかと、吃驚するような名品がそろっている。展示の説明にあるように、<人>を主題にして収集した作品と言うように、風景や静物などは1点もない。何らかの形で描き出された人ばかり、そのせいか全体からこじんまりとまとまった印象を受けた。
 そして、地下2階部分と思われる展示は、この美術館の企画展。行った時には、蔡國華さんの「何来何去」と言うテーマの作品展、現役バリバリの現代作家、独特のハードボイルな感じをもつ迫力あるタッチの作品群。老人と苦悩する現代人、切れの良いデッサンの線が強烈な主調をはらんでいる。06年9月28日から07年1月9日までの開催。画像は旅人Ⅴと題された蔡國華さんの作品。

 企画展もいいし常設展示もいい。場所は、ちと不便だが、近くには好い温泉が沢山あるので、温泉旅行を兼ねて行くと、満足度が大きい。バスが駐車できるような大きな駐車場があるのも安心。落ち着いて現代美術を鑑賞したい人、温泉が好きな人、お勧めです。