武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 朝のワンプレート(8)

 数日間家を空けて旅行に行ってきた。宿はホテル、集まりは料亭の宴会場、久しぶりに旧知の仲間との語らいは盛り上がり愉快な時間を堪能してきた。宴会なので当然に宴会料理が並んだ。色とりどりの料理が並び、山海の珍味とまでは行かなくても、気分を盛り上げてなかなかに美味しかった。ちなみに宴会などで出される日本料理は、会席料理と呼ばれており、ウィキペディアによれば、その内容は、

会席料理の献立は、一汁三菜(吸い物・刺身・焼き物・煮物)が基本である。さらにお通し・揚げ物・蒸し物・和え物・酢の物などの酒肴が加えられ、最後に飯・味噌汁・香の物、水菓子がでる。

と説明されている。
 今、家庭料理のそれも朝食についてシリーズでアップしているせいか、宴会料理のことについて、つい余計なことを考えてしまった。宴会料理は典型的な<ハレ>の料理、家庭の朝食は典型的な<ケ>の料理、いや料理とすら呼べないかも知れない日常的な食事。
 宴会料理は、非日常のテンターテインメント、娯楽としての料理だと言うことをつくづく感じさせられたことだった。昔から祝い事の席やなど様々な行事の席を飾る、華やかな装飾としての料理が発達してきたことは言わずもがな、世界中のどの民族にも規模の違いはあれ共通している。
 したがって、こういう食事を続けて食べていると、体調はどうなるか、考えなくても結論ははっきりしている。家庭の食事とは全くの別物であることを忘れるべきではない。一度、グーグルで<会席料理>を画像検索してみて目を瞠ったことがある。膨大な量の宴会料理が画像となってネット上に氾濫している。家庭の食事といかに異質なものか、よく分かる。
 料亭だって、板場の職人(調理師)たちは、自分たちの食べるものは<賄い>といって、体調維持にふさわしい料亭料理とは別にあつらえた、普段の食事をしていたのである。料理教室の先生というと料亭料理を学んだ料理人に人気があるようだが、家庭料理の参考になるような料亭料理はさほど多くないことに気を付けた方がいい。
 動物性タンパクの調理は、手がこみすぎているし、野菜料理もシンプルなものはほとんどない。酒の肴の性格が強いので、液体で舌を洗うことを前提とした味の濃いものがとても多い。
 パーティなどで作る家庭内の宴会の場合には参考になるかもしれないが、日常の食事で、料亭料理を参考にすると、家族の健康管理上、とんでもないことになりかねないことを胸に刻んでおきたい。

 
 数日間、家を空けていたので、わが家の冷蔵庫の備蓄食材はスカスカ、滅多に欠かしたことのない卵すら1個しか残っていない。うっかりしていると月に1〜2回こういう、さびしい朝食の日がある。
 これまでは、みっともないのでこういう日はカットしてきたが、今回は、宴会や外食が続くと、こんな日もあるということでお目にかけることにした。今日は、大型の食品スーパーへ買い出しに行ってこよう(笑)。
 前置きはこれくらいにして、朝の献立を紹介してゆこう。


3月某日の朝食 ・味噌汁(油揚げ、干し椎茸、小松菜、エノキ茸)・ご飯・ブロッコリーの温野菜・パプリカの温野菜・椎茸とシメジの旨煮・蕪の甘酢漬け・ウドと人参のキンピラ・白菜キムチ・プレーンオムレツ半分・画像にはないがコーヒー入りホット牛乳