武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 朝のワンプレート(9)

 ネット上で<中食(なかしょく)>という語彙にゆきあたった。ウィキペディアによれば、「家庭外で調理された食品を購入して持ち帰り、家庭の食卓で食べる食事の形態のこと」だという。そして、「持ち帰り弁当、スーパーやコンビニエンスストアの弁当・惣菜、冷凍食品、出前、宅配ピザなどが含まれる」と補足してあった。「家庭内で調理して食べる「内食(うちしょく)」、家庭外で調理されたものを家庭外で食べる「外食」との中間に位置することからきた造語」だという。
 gooリサーチによれば、90年代後半から、外食産業の市場規模は年々縮小に転じ、換わって中食産業に分類される市場の規模が拡大してきているという。その規模は既に約7兆円規模というから凄い。
 内閣府発行の18年度版食育白書にも、中食が増加傾向にある理由について書かれていた。広い視野で家庭の食事を考えるには、中食はいまや重要なキーワードになってきているということか。
 <外食><中食><内食>と三つの語句を並べてみると、100%手作りの内食をしている家庭は今時珍しいのではないか。食材の何割かは、加工済みであったり、調理済みであったりしているのが現代の家庭の食卓ではないだろうか。多くないが、わが家の朝餉にも時々中食食品が並ぶ。
 スーパーなどの惣菜売り場に、もっと食べたいものが増えて、価格的にも手頃な品が出てくれば、出来合いのものを買うことに抵抗はないのでもっと中食が増えるかも知れない。ただ、残念なことに、調理して、運ばれ、店頭に並び、買われ、消費されるまでのプロセスを通過するために、おしなべて味は濃く、添加物も避けられず、どうしても満足できる食品は限られてしまうのが現状。
 台所と冷蔵庫と食卓が一体化している家庭のダイニングの有利さにかなう食品は、なかなか出てこないだろう。相当に画期的な流通システムが開発され普及するまでは、わが家では内食優勢の食卓を続けてゆくことになりそうである。
 
 前置きはこれくらいにして、朝の献立を紹介してゆこう。

3月某日の朝食(上) ・味噌汁(油揚げ、ネギ、ジャガイモ、エノキ茸)・ご飯・レンコンのきんぴら・蕪の葉のおひたし・カボチャの温野菜・キャベツのおひたし・パプリカの温野菜・インゲンの温野菜・蕪の甘酢漬け・花ワサビの漬け物・椎茸の旨煮・プレーンオムレツ半分・画像にはないがコーヒー入りホット牛乳


3月某日の朝食(下) ・味噌汁(油揚げ、干し椎茸、豆腐、切り干しダイコン)・ご飯・小松菜のおひたし・レンコンのきんぴら・昆布と油揚げの煮物・菜の花のおひたし・蕪の甘酢漬け・春菊のおひたし・セロリの白キムチ・白菜キムチ・・真鱈子としらたきの旨煮・新玉葱の白キムチ・プレーンオムレツ半分・画像にはないがコーヒー入りホット牛乳


 白菜キムチは市販品、自家製に挑戦してみたが、どうしても気に入っている市販品を超えられないうえに、匂いと手間を考えると、市販品に頼らざるを得ない。漬け物などの保存食では、手間などを考えると市販のものに軍配を上げざるをえないものが多くなる。
 うちではあまり使わないがハムやソーセージ、練り製品なども自家製することの手間を考えると、市販のものを頼ることになりそうである。