武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 赤城に関連のある書籍紹介(01)

赤城山麓に山荘を入手、第二の老後生活のベースキャンプを築きはじめたのをきっかけに、赤城山にかかわりのある著作や作品をチェックしてみたくなった。5点を一区切りとしてアップしていくつもりだけれど、どこまで続くか分からない。当面は順不同でスタートしてみよう。

001 『赤城の四季 猪谷六合雄作品集』 猪谷六合雄著/山と渓谷社1944/6/1発行 
   猪谷六合雄の赤城山をテーマにした写真集に、交流のあった作家の赤城山に関するエッセイと猪谷六合雄本人の赤城山エッセイを組み合わせた写真文集。戦前の赤城山風景とメダリスト猪谷千春の子ども時代のスキー練習風景が珍しい。


002 「赤城の組曲」『定本野鳥記 第4巻 (鳥山河)』に収録 中西悟堂著/春秋社1963発行    
   野鳥研究の大家、中西悟堂昭和16年にふとしたきっかけで赤城山に1週間滞在、仲間と共に登山やハイキングを楽しみつつ赤城山の野鳥を観察した旅行記風のエッセイ。野鳥の専門家らしく出会った野鳥の固有名詞が頻出する。これも、戦前の赤城山の貴重な記録である。


003 『赤城画帖』 高村光太郎著, 猪谷六合雄著, 西山勇太郎編集/龍星閣1956/10/20発行
   高村光太郎東京美術学校に在学中の20代前後の頃、赤城にスケッチ旅行に来て、現地の少女と交わした相聞歌と、その時の素描を合わせて1冊にまとめたもの。素描と相聞歌の両方について、猪谷六合雄が丁寧な解説をつけている。赤城山周辺の地理に詳しい猪谷の解説が、何となく不鮮明な光太郎のスケッチに花を添えた感じに仕上がっている。(このテキストは以前にブログにアップしたものの引用)


004 『雪に生きる』 猪谷六合雄著/羽田書店1943/12/5発行  
   第1篇赤城山時代と第3篇再び赤城山時代に著者が赤城山で過ごした日々のことがスキーを中心にでてくる。初期のスキー活動の実態と戦前の赤城山の様子が伝わってきて貴重。


005 『森の朝が好き』 俵萠子著/大和書房1994/06発行
   赤城山山麓にセカンドハウスを購入、陶芸教室や美術館を開設して活躍した著者の赤城の山小屋を軸にした作品、初めて読んだときにはエッセイだなと思っていたが、別の著作によれば細部にフィクションが散りばめられており、これは小説作品であるとのこと。赤城山麓の自然描写が瑞々しい。