武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 朝のワンプレート(15)

 ここ数年マスメディアで紹介されて評判になっている<50℃お湯洗い>という調理法をご存知だろうか。保存期間が長くなって鮮度を失った野菜や果物を50℃前後のお湯で洗ってやると、鮮度が蘇り雑菌が大幅に減って、美味しさが増すという耳寄りなお話。平山一政という調理技術を研究されている方が提唱されている技術、<低温蒸し>という調理法とセットになっている考え方のようである。
 まず、<50℃お湯洗い>のやり方について、(1)使うのは50℃のお湯(48℃〜52℃)のお湯で野菜を洗い、(2)ザルの上に広げてしばらく乾かし、(3)冷蔵庫で保存するという簡単なもの。
 その効果たるや、「腐敗菌や病原菌を減らす除菌効果があり、しなびかかっていた野菜を50℃で洗うと新鮮な状態に再生し、色鮮やかなまま旨みを閉じ込める効果がある」という。
 お湯の出る蛇口から出るお湯の温度を温度計で50度前後に設定し、ボールに50℃のお湯を溢れさせ、お湯を出しながら、野菜をお湯洗いすればいい。やってみると心なしか、野菜の鮮度が蘇った気がしないではない。保存期間が延びるかどうか、そこまではまだ実験していない。はっきりした効果が出たらまた紹介したみよう。
 <低温蒸し>の方はどうだろう。これまでにもわが家では、野菜はその特性に合わせて、適温調理と称して、70℃〜80℃、ものによっては100℃のものもあるけれど、茹でる温度と時間を計りながらやってきた。ただ、茹でているとお湯の中に切り口や葉の表面から養分が溶け出してしまうような気がして、美味しくはあるが栄養面で一抹の不安を感じないではなかった。
 従って、温度と時間を管理して蒸すというやり方には、養分が溶け出さないような気がして心引かれるものがあり、今後工夫してやってみようという気になっているところである。
 葉物類は、ほうれん草、春菊、水菜などで効果が期待できるというし、驚くことに、みかん、リンゴ、イチゴなど果物類なら何でも応用できるという。方法を工夫して試してみて、いずれその効果の程をお知らせしてみたい。私の試行では春菊は低温蒸しには適さなかったが、菜の花は上手くいった。何事もそうだが、鵜呑みにしないで自分の味覚で試して見ることが大事である。ネット上の情報は特に危ないということを肝に銘じておこう。

 前置きはこれくらいにして、朝の献立を紹介してゆこう。


4月某日の朝食(上) ・味噌汁(油揚げ、干し椎茸、ネギ、切り干しダイコン)・ご飯・ブロッコリーの温野菜・ニンジンの温野菜・京菜のおひたし・カボチャの温野菜・春菊のおひたし・舞茸とナメコの旨煮・椎茸の旨煮・白菜キムチ・ほうれん草のおひたし・プレーンオムレツ・画像にはないがコーヒー入りホット牛乳


4月某日の朝食(下) ・味噌汁(油揚げ、椎茸、切り干しダイコン、ネギ)・ご飯・蕪の葉のおひたし・ニンジンの温野菜・春菊のおひたし・ニンジンの温野菜・春菊のおひたし・ブロッコリーの温野菜・タマネギの白キムチ・白菜キムチ・舞茸とナメコの旨煮・プレーンオムレツ・画像にはないがコーヒー入りホット牛乳


 なお、平山一政さんの考え方は、『低温スチーミング入門』という本に詳しく分かりやすく書かれているので、興味のある方はどうぞ、低温蒸しのノウハウも学べます。敢えて短所を指摘するとしたら、加熱時間が茹でるときよりも相当に長いと言うことかな。