武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

 朝のワンプレート(33)

素材の旨味を損なわない海水ウニ
 北海道へ旅行に行った知り合いから、保冷車による宅配便でウニのお土産が届いた。早速、ウニ丼にするために、ご飯を多めに炊いて賞味した。文句のつけようがないほどに美味しかった。保存容器から取り出したウニを、炊きたてのご飯にのせて、ワサビ醤油をたらし、箸でウニとご飯をかき混ぜて、黄金色に染まりねっとりとして艶やかになったご飯を口いっぱいに頬張ると、海の恵みが口中に溢れ返り、至福の境地。とろみのある海の香りが鼻に抜ける心地よさ。全ての味蕾が歓びに沸き立っている。純粋なウニの味は濃厚だが切れが良い。このままが良い、このままで良い。
 ところで、気になったたことがある。プラスチックの奇妙な包装容器に、塩水が満たされており、その塩水に浮かぶようにしてウニの身が保存されていたことである。容器に不慣れだったので、説明が書いてあるのだが、ウニを取り出すのにちょっと手間取ってしまった。
 ネットで調べてみたら、なるほどだった。従来は、ウニの身はそのままでは崩れやすいので、ミョウバン液に浸してから、容器に盛り付けをしていたという。すると、ミョウバン特有の苦味がウニの味に微妙に影響し、かすかに苦い後味になってしまったのだそうである。
 そこで、殻から身を取り出す段階から、海水と同じ程度の塩水の中に身を入れ、保存容器に塩水と共に身を納め、保存性を高めたのだと言う。身が中で踊らないように、薄い穴あきのプラスチックで保護してあり、北海道から我が家まで、ウニ本来の形も味も損なわれることなく無事に届いたという次第であった。。(上段の画像は届いた保存容器、中段の画像は上蓋をはずし 塩水に浮いているウニ、下段の画像は塩水をきった穴あきパックの上のウニ)
 素材そもののが持っている味を可能な限り損なわないで消費者に届けようという、この工夫が気に入った。  

 前置きはこれくらいにして、朝の献立を紹介してゆこう。ウニは夕飯で食べてしまいましたが、素材の味を大事にした朝食です。


6月某日の朝食(上) ・スープ(ロールキャベツ)・ご飯・空心菜おひたし・パプリカ温野菜・ブロッコリー温野菜・トマト・春菊おひたし・ニンジン温野菜・モヤシのおひたし・蕪の甘酢漬け・浅漬けタクワン・プレーンオムレツ・画像にはないがコーヒー入りホット牛乳


6月某日の朝食(下) ・スープ(ロールキャベツ)・ご飯・モロヘイヤのおひたし・トマト・水菜のおひたし・蒸しカボチャ・ブロッコリー温野菜・ジャガイモと油揚げの旨煮・白菜キムチ・蕪の甘酢漬け・プレーンオムレツ・画像にはないがコーヒー入りホット牛乳