武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2009-01-01から1年間の記事一覧

 『軌道エレベーター―宇宙へ架ける橋』 石原藤夫、金子隆一著  (発行ハヤカワ・ノンフィクション文庫2009/7/5)

以前に当ブログhttp://d.hatena.ne.jp/toumeioj3/20090201で紹介したことのある名著が、この度目出度くハヤカワ文庫で復活した。一人でも多くの方に読んでもらいたい科学エッセイの傑作、長らく絶版になっておりかねがね残念に思っていたので、これは嬉しい。…

 『病院建築のルネッサンス 聖路加国際病院のこころみ』 藤森照信、宍戸實、鈴木博之、小倉善明著 (発行INAX BOOKLET/1992/4/20)

友人の作品展示会を覗きに、聖路加国際病院に行ってきた。病気になったためではなかったが、院内に入ってみて驚いた。病院特有の消毒の匂いを全く感じない。しかも、ミニギャラリーを一般開放している。こんな病院は珍しい。興味が湧いたので中を少しぶらつ…

 『スイス・アルプスを撮る−やさしく学ぶ写真教室』 小川清美著 (発行新潮文庫2006/4/1)

美しい風景を美しく撮りたいと思うのは、カメラを持ち歩く全ての人の願いだろう。私の思いも同じだが、これがなかなか思うようにはゆかない。旅行から帰ってPCで再現してみると、どこか違う全然違う、という思いにため息が出てしまうのはいつものこと。 この…

 温泉旅行とミステリィ

しばらく更新しなかったのは、伊豆高原の温泉宿に3泊のお泊まりに行っていたから。何かを見るという観光目的ではなく、楽しみにしていたミステリィを数冊持って読書を楽しむため。 (画像は旅行中、バラ園でのレストランで見かけた睡蓮) 朝起きてまず温泉、…

『太陽の王ラムセス全5巻』②

『太陽の王ラムセス全5巻』② クリスチャン・ジャック著 鳥取絹子、山田浩之訳 吉村作治監修 (青山出版社1996/11) 第3巻「カデシュの戦い」 紀元前1285年頃に起きたと伝えられている、記録が残されている人類史初の国家間の大規模な会戦として有名な古代エ…

 『太陽の王ラムセス全5巻』①  クリスチャン・ジャック著 鳥取絹子、山田浩之訳 吉村作治監修 (青山出版社1996/11)

古代エジプト文明の壮大な時間の流れほど、想像を絶する世界は少ない。今から5000年前の紀元前3000年頃に、すでに国家的規模の広域的な統一をなしとげ、文字のある文明を成立させていた超古代文明、5000年昔の我が日本列島を思い起こすと、遙かな縄文の文字…

 若田光一さんの宇宙ブログ

現在、国際宇宙ステーションに長期滞在中の、宇宙飛行士の若田光一さんは、宇宙ステーションからブログを更新して、宇宙滞在のエピソードを画像付きで発信している。何とも凄い時代になったものと感心しながら、夢のような宇宙からの通信に、私は心を躍らせ…

 竹中英太郎記念館の印象記

甲府の湯村という所にある挿絵画家、竹中英太郎の作品を展示してある記念館に行ってきた。湯村温泉の住宅街の一角にあるので、車一台がやっと通れるような細い路地の奥の、斜面にひっそりとその記念館は建っていた。館長さんの話では、遺族のお住まいをリフ…

 武蔵野の雑木林に咲くリュウノヒゲ

昨日は、仲間と一緒にやっている、雑木林の不法投棄ゴミの回収ボランティアに行ってきた。月1回隈無く回収しているつもりなのに、いつの間にか新たなゴミが捨てられている。勿論多いのは空き缶や包装容器のプラスチック類だが、家屋解体の際に発生したと見ら…

 元気に巣立ったオナガの兄弟

5月のなかば頃から住まいの周辺で、朝夕のある時刻、オナガの鳴き交わす声が盛んに聞こえるようになり、他の野鳥が追い払われたりして、周辺がオナガに占拠されたような感じになったことがあった。あまりに賑やかなので、注意してみていたら自宅の窓から見え…

 丸沼高原と日光白根

戦場ヶ原を歩いた翌日は、日光白根山の山腹を歩いた。丸沼高原の「森の風」というペンションに1泊、<日光白根山登山パック >という宿泊セットを選んだので、翌朝はロープウェイ往復券とお昼の弁当を受け取り、ロープウェイ乗り場のある駐車場へ。 今回宿泊…

 戦場ヶ原の半日散歩

奥日光の戦場ヶ原のズミの花を見に行ってきた。10時半頃に赤松茶屋駐車場に着いたら、日曜日だったせいか広い駐車場が満車、並んで待つのを諦めて三本松の駐車場に移動、こちらの方も満車寸前、奥の方に空きを見つけて何とか駐車できた。 車道脇の歩道を歩い…

 一斉に咲き出したビョウヤナギの花

少し日陰で条件の良くなさそうな場所でも、元気に葉を茂らせるので、相当に丈夫な性質なのだろう。排気ガスにも強いらしく、中央分離帯や舗装路の路肩などでも見かけるようになってきた。この時期、武蔵野の至る所で黄色い5弁の花を見かける。 日光が当たる…

 航空公園の朝

朝から空模様が持ちそうなので、今日も航空公園の早朝散歩に行ってきた。日当たりの好い芝生では、早くもネジバナが愛らしいピンクの花をつけていた。住まいの近くでも、ネジバナが群生している芝生があるが、まだのよう。よほどここは日照に恵まれているの…

 野生のキジ(オス)との出会い

自宅近くの武蔵野の農地には、野生のキジが生息している。農地のわきを散歩しているといつもは甲高い警戒音を発して、警戒されるのだが、この日は、地面に落ちている麦の落ち穂をついばむのに夢中になっていて、近くに私がいるのに気付かない様子、ハトと一…

 身近な川の一斉調査2009

今日は、身近な川の一斉調査に行ってきた。住まいの近くの砂川堀と呼ばれている、可哀想なほど都市化してしまった小川で、気になる4カ所の河川水をサンプリング、周囲の自然環境をチェックして、市内の協力校に集合、採取した水の水質調査をするという恒例の…

 晴れ間をぬって近場の散歩

6月に入って日中の気温が高くなってきたので、5時起きで早朝の散歩に出かけることにしている。ところが、残念なことに雨の日が多く、体調管理のための散歩もままならない。朝からびちょびちょ降っていると、気分まで晴れない。 今日は午後から日が射してきた…

『子すずめペチャのアイウエオ日記(わたしの動物記7) 』 槙原万希子著 (ポプラ社 1986/01)

もう1冊、スズメを赤裸のヒナから成鳥に育ててリリースするまでを書いた本を見つけた。育っていく途中で、『ワンワン』『アイウエオ』などと鳴くようになる生育のエピソードがとても可愛く書かれていて、子ども向けの本ながら、大人がが読んでも楽しめる内容…

『スカルラッティ/ソナタ集』ポゴレリッチ演奏

ある朝かけっぱなしでFM放送を流していて、聞こえてきた曲が素晴らしかったので、アナウンスのメモをたよりに、ネットで検索して入手したのがこのCD、その後気にいって、朝起きるとすぐに窓をあけて外の空気を取り入れるのと同時に、このCDをかけて朝…

ギリシャ旅行8日間⑨一番美味しかったもの

ギリシャ旅行で食べたもののことを書いていて、一番美味しかったのは何だろうと自問してみた。よく考えてでてきた結論は、毎朝、飽きもせずにたっぷりと食べていたギリシャヨーグルト。 (画像は、表面にしわができるほどに濃厚なギリシャのヨーグルト、デザ…

ギリシャ旅行8日間⑧補足−レストランでの食事

海外旅行の大きな楽しみの一つに食事がある。どんな食材を、どんな調理法と味付けで食べさせてもらえるだろうか、わくわくしてテーブルに着かない者がいるだろうか。順番に3品か4品、がっかりしたり、感心したりしながら、次第に空腹が満たされて満腹感が満…

 『いそがなくてもいいんだよ』 岸田衿子著 (童話屋1995/10/1)

「童話屋」の編集者田中和雄さんが蒐集した詩のアンソロジーは楽しい。分かりやすくて深く爽やかな詩編を集めた「ポケット詩集」が、ロングセラーを続けているのも納得できる。その名編集者が、岸田衿子さんの詩を集めた詩集を見つけたので手に取った。 岸田…

ギリシャ旅行8日間⑦補足−ギリシャの花々

5月下旬のギリシャは、気持ちの良い初夏の気候、至る所で花が咲き乱れていた。例によって、近づけるだけ近づいてシャッターを押してきた。栽培種よりも野草の方が好みなので、雑草の花がほとんどだが、帰ってきて整理してみると、日本では見かけない花も混ざ…

 ギリシャ旅行8日間⑥補足のこぼれ話

帰路はアテネの空港を現地時間12時25分に立ち、ローマを経由して14時間ほどをかけて成田に帰国。実質8日間だったが、ギリシャとの移動に3日を使い、観光に使えたのは5日間。あっと言う間の今回の旅だった。最後に印象に残ったことを拾っておこう。 (右の画像…

 ギリシャ旅行8日間⑤

今回の日程の最後は、1日だけのエーゲ海クルーズ、港を走っている時、大型のクルーズ船をたくさん見て期待したのだが、1日クルーズの船は中型船。サロニコス諸島と呼ばれる島々の内、ポロス島、イドラ島、エギナ島の3島をめぐるサロニコス湾の船旅。ポロス島…

 ギリシャ旅行8日間④

前日中にデルフィから200km移動してオリンピアに宿泊、この日はオリンピック発祥の地、オリンピア遺跡の観光。今度のツアーは、午前中の涼しい内に遺跡を観光し、日が高くなり暑さがきつくなる午後の時間はバスによる移動というパターンの繰り返しなので、…

 ギリシャ旅行8日間③

前日のうちにカランバカから約200km移動してデルフィに宿泊、この日は、デルフィ博物館の見学とデルフィ遺跡観光。 まずは遺跡から出土した品々を納めて展示してある博物館、アルカイックな微笑を浮かべた彫像のほかにも、ハッキリとした表情豊かな彫像が…

 ギリシャ旅行8日間②

前日の午後を全部使って、アテネからカランバカまで350kmほどを大移動、この日は奇岩の修道院群で有名なメテオラの観光。 (奇岩の上の修道院、最初にここへ来た人は、ロッククライマーの修験者だったのだろうか) 日本でも山岳信仰というか、人里離れた嶮…

 ギリシャ旅行8日間①

ヨーロッパを旅してみると、歴史の源流としてエジプトとギリシャの古代文明が気になってしかたがなくなる。エジプトは行ったがギリシャはまだだったので、今回ギリシャ8日間のツアーに参加した。 13:20発のアリタリア航空便で成田を発ち、ローマの空港を経由…

 『夢十夜』 夏目漱石著・金井田英津子画 (発行パウロ舎1999/3/1)

版画家として人気が出てきた金井田英津子さんの挿絵が気に入ったので、図書館からこの本を借りてきた。テキストだけで、これまで何度も読んだことがあったのに、この本を読んで「夢十夜」の印象がこれまでになく視覚的になったのには驚いた。 漱石の作品のな…