武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2008-01-01から1年間の記事一覧

 『暦 日本史小百科』 広瀬秀雄著 (東京堂出版〔新装版〕1993年)

ある本を読んでいて、昔の人々の時間認識に興味をおぼえ、図書館で調べているうちに、コンパクトにまとめられていてとてもわかりやすい本にたどりついた。東京堂出版の「暦 日本史小百科」東京堂出版の事典ものには何度もお世話になってきたが、この本も暦の…

 『ラジオの時代』 武山昭子著 (発行世界思想社)

私が生まれて10歳になる頃まで、テレビというメディアそのものがない時代だった。報道メディアの主役は、新聞とラジオだった。特にラジオは、速報性と娯楽性の両方を担う、メディアの王様だった。何歳からだろう、私もラジオを聴くことが、数少ない楽しみ…

 埼玉県内公共図書館等横断検索システムのご紹介

どの時点で見渡しても、どのレベルに立ち止まって見ても、いつも感心するのはインターネット飛躍的な成長ぶり。先ごろ触れたストリートビューもそうだが、インターネットを介して私たちが入手できるサービスの素晴らしさには、いつも嬉しい驚きがある。 私が…

 移動式携帯型別荘生活のすすめ

定年退職して、北海道の夏を旅行していて再開したのがキャンプ生活。子育て時代に使っていた骨董品のようなテントを引っ張り出してみたが、あまりの狭さと不便さにへきへきしバーゲン品の新しいテントに買い替えた。時代の進歩に驚くやら感心するやら、新し…

 奥日光には秋の気配

武蔵野の残暑に耐えきれなくて、奥日光にキャンプに行ってきた。連日の30℃を越える気温ばかりが頭にあったので、秋の服装を考えていなかったのが大失敗。現地の朝晩は、20℃を下まわり、天候が悪いと10℃近くまで下がる12月の気候。うっかりして、寒さに震える…

 Googleマップの「ストリートビュー」

知り合いから教えられて、Googleマップの新しいサービス、「ストリートビュー」を見てみた。驚いた。文字通り、地上から見た道路(公道)からの風景を移動しながら眺められて、360°の視野が展開する。ここまでやるのか、という思いと、この次には何が出てく…

 『阿久悠自選詞集』 阿久悠著 (グラフ社)

図書館から借りてきた「阿久悠自選詞集」をめくりながら、昨晩、NHK BS2で「BSまるごと大全集 作詞家・阿久悠の世界〜時代を作り 時代をつむいだ歌」を見た。どのチャンネルを選んでもオリンピック番組ばかりだったので、あえて4時間にも及ぶ長時間番組に気…

 『タルコフスキー日記(殉教録)』アンドレイ タルコフスキー 著 鴻英良, 佐々洋子訳 (発行キネマ旬報社)

ロシア出身の映画監督、むしろ映像作家と呼ぶほうがふさわしいタルコフスキーの1970年から1986年までの日記。86年の12月に亡命先のパリで客死するまでの晩年の日記には、鬼気迫るものがある。81年から86年までの日記は、補完する形で「タルコフスキー日記(…

 真夏の武蔵野の菜園

武蔵野の片隅に借りている菜園脇に、高さ2mにもなろうという雑草が元気に花をつけている。知り合いが好きな花だというので、刈らずにいたら巨大に成長してしまった。図鑑で調べたら、江戸時代には観賞用植物として庭などに植えられていたのが、広がったの…

 『パンドラ』 谷甲州著 (発行早川書房)

しばらくそのジャンルから遠ざかっていると、無性に懐かしくなるジャンルがある。私にとっては、SFというジャンルがその一つ、小学生のころ夢中になった鉄腕アトムをはじめとして、SFの世界は、マンガでも小説でも厭な現実を一時的に忘れさせてくれるわくわ…

 武蔵野の真夏の雑木林

仲間と一緒にやっている菜園に、今朝早朝、雑草取りと収穫に行ってきた。雑草取りは、まめな仲間が精を出してやってくれたおかげで、簡単に済んだ。収穫のほうは、ニガウリ、トマト、ミニトマト、ナス、唐辛子の仲間のハバネロ、シソの葉、ミョウガなどなど…

 『ネーデルラント旅日記』デューラー著 前川誠郎訳 (岩波文庫)

数日前にデューラーの伝記を紹介したが、今回は、デューラーが自ら書いた旅日記。1950年からほぼ1年をかけてネーデルラント地方を旅行した詳細な旅の記録。読めば読むほどに味が出るというか、これに似たものをかつて読んだことがない何とも不思議な旅日記。…

 『笑う警官』 佐々木譲著 (ハルキ文庫)

ミステリー小説に<警察小説>と呼ばれるジャンルがある。警察官を主人公にし、警察組織を背景とする冒険小説もしくはミステリー小説。佐々木譲さんのこの道警シリーズは、新たな警察小説の誕生を期待させるシリーズ第1作。 ①日本の警察機構は、中央組織の警…

 戦場ヶ原で見かけた昆虫

戦場ヶ原をハイキングしていて花を探していると、花に誘われた昆虫たちを目にする。時には、シャッターを押したくなるような、面白い場面にも出くわす。花だけを写すよりも、元気な昆虫が同席してくれていたほうが楽しいので、虫との出会いをムシロ楽しみに…

 『アルブレヒト・デューラー』 エルンスト・ヴィース著 相沢和子訳(発行エディションq)

昔の偉人の業績をいかに辿っても、その人間像に近づくことは難しい。詳細な評伝は限りなくその人物に接近する手掛かりになるが、それでも何だかもどかしい。そんな時、周到かつ巧緻に仮構された伝記作品が、もっと知りたいという心の渇きを癒してくれること…

 戦場ヶ原のホザキシモツケソウ

これまでも何度か7月の戦場ヶ原をハイキングしたことがあり、この季節、いたるところにホザキシモツケソウが見事な景観を作っているのを見たことがあったが、今年のようにほぼ文句のつけようがない状態を鑑賞したのは、初めて。花の持ちがよくて、8月に入っ…

 毒でも美しいバイケイソウ(梅形草)の花

先日、戦場ヶ原の木道を歩いていて、沢山のバイケイソウが花をつけているのを見かけた。時折、オオバギボウシという山菜と間違えて中毒騒ぎが起きるチト危ない植物。どちらも群落をつくり、見つけると大量に食べきれないほど取れるので、善意でおすそ分けで…

 『神々の山嶺』 夢枕獏著 (発行集英社)

奥付に97年8月発行とあるので、10年以上前にでた古い本、書店で平積みになっていたのを横目で見ながら、なぜか読まないできてしまった。夢枕獏の物語作家としての力量に感心しながら、これまで何作か読んできたが、延々と続く長い話を途中で投げ出して…

 猛暑を避けて奥日光へ

22日から26日まで、武蔵野の猛暑に耐えきれなくて、奥日光の中禅寺湖の畔へキャンプに行っていた。標高が1269mの湖畔のせいで、4日間の最高気温が26℃、快適な4日間を過ごしてきた。 滞在2日目の戦場ヶ原のハイキングで、夏の高原の草花を楽しんだ。7月…

『スズキコージズキンの大魔法画集』 鈴木康司著 (発行平凡社)

この素晴らしい画集の作者である鈴木康司さんは、絵本作家以外にも多彩な活動を繰り広げる、いわばマルチな造形作家と呼ぶしかないような多才なお人。今回は、そんなスズキコージとカタカナ読みするお方の、画家としての魅力を1冊に集めた魅力的な画集を紹介…

 『香水−ある人殺しの物語』 パトリック・ジュースキント著 池内紀訳 (文春文庫)

「パフューム ある人殺しの物語」という映画を先に見て、面白い映画だったので、原作に興味が湧いて読む気になった。映画と本を比較してみると、圧倒的な制作費をかけたと思われる見事な映像とスピーディーなストリー展開では、映画に分があり、丹念な時代考…

 『ナンプレ限界編』 堀内邦義著 発行廣済堂出版

これまで何度か数独やナンプレについて言及してきたが、今回は超難問、1問解くのに四苦八苦すること必至のパズルブックのご紹介。 この本は同じ出版社のナンプレシリーズ「傑作105選」の7冊目、最終巻にあたる位置づけのようだが、このシリーズは問題の難易…

 花と昆虫

イングランド中央部、ロンドンの北西方向、シェークスピアの生家があり晩年を過ごしたという、ストラトフォード・アポン・エイヴォンという町は、今ではシェークスピアとその一族にちなんだ史跡が売りの観光の街。 その街のシェークスピアの生家の中庭で見つ…

 ヨアヒム・ブーケラールJoachim Beuckelaer讃歌

ロンドンのナショナル・ギャラリーで見つけた16世紀フランドルの風俗画家、ヨアヒム・ブーケラールのことを調べようとしたが、日本ではあまりメジャーな画家ではないらしく、手持ちの西洋美術史を見てもみつからなかった。国立西洋美術館に1点作品があるよう…

 『スーツケース一杯の失敗』 アーマ・ボンベック著 中野恵津子訳 (発行文芸春秋)

アメリカの人気コラムニストが書いた毒舌と哄笑に満ちた家族の旅行エッセイ、失敗談を軸にしているので、思い当たるケースが時折出てきて、ほっとしたり呆れたり、海外旅行の好きな人にとっては読み出したら止められない好エッセイとなるだろう。 家族の歴史…

 イギリス旅行10日間⑨⑩

この日は、イギリス滞在最後の日、午前中だけの自由時間があったので、テームズ川畔の散策とガイドブックにロンドンでも指折りの名園と紹介されていたチェルシー・フィジック・ガーデン観光を予定して徒歩でホテルを出たのだが、下調べ不足で、チェルシー・…

 イギリス旅行10日間⑧

今回の旅の終章、最後のロンドンの目玉は、何といっても大英博物館とナショナル・ギャラリー。まずは、泣く子も黙る(笑)大英博物館見学、その展示品の凄いこと、また展示の上手いこと、保存状態の良いこと、脱帽ものでした。人類の文化現象に対するあくな…

 イギリス旅行10日間⑦

この日まずはじめに行ったのは、イングランド南西部のサマセット州にあるバース市、そこにある古代ローマの温泉浴場遺跡と世界でもっとも美しい集合住宅といわれるロイヤルクレッセント。 最初に行ったのは、芸術的といいたくなるほどに見事な集合住宅、ロイ…

 イギリス旅行10日間⑥

この日の目玉は、あの偉大な劇作家、シェークスピアの生家があるストラットフォード・アポン・エイボンの観光。この街のシェークスピア関連ポイントは、生家と埋葬された教会とスワン劇場の3ヶ所らしいが、観光したのは前の二つ。 実際に行って見ると、生家…

 イギリス旅行10日間⑤

今日から3日間は、湖水地方からロンドンに向けて、いくつかの観光地を訪れながらの長距離移動。まずは、2000年前の古代ローマ帝国時代の城壁が残る中世都市チェスターへ。 イギリスの自動車専用道路(高速道路)は原則として無料、道路整備も行き届いていて…