武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2010-01-01から1年間の記事一覧

 「無為庵乃書窓」というサイトのご案内

ポール・デルボーの画像を検索していて、偶然にこのサイトに辿り着いた。この方と好みが一致していれば、自宅に置いてある重くて嵩張る大冊な画集は不要になるような気がするので紹介しよう。 それにしても、このサイトの管理人さんの偏愛する画家たちへの情…

 再生採石のアスベスト混入問題−東京新聞のスクープとその後

先月の中頃に、建築廃材のリサイクル品、再生採石のアスベスト混入問題を東京新聞がスクープ、その後の報道でも他紙よりも先んじて関連記事を掲載、この問題を深く掘り下げようとする姿勢がなかなか素晴らしい。他紙しか読まない人は知らないと思うので、消…

 司法修習生の給与制問題、継続の方向へ第一歩

先日、東京弁護士会が主催する「司法修習生の給与制継続を求める市民集会」に行ってきた。今年に入ってから春頃に動き始めた運動が、みるみる拡大し全国的な規模に発展してきていることに意を強くした。新自由主義の側からはそれなりの意見はあると思うが、…

 『聴け聴けクラシック―ぼくの名曲101選』 砂川しげひさ著 (発行朝日文庫1993/12/15)

いつの頃からか、漫画家砂川しげひさのクラシック・エッセイの愛読者になっていた。砂川しげひさの良いところは、クラシックへの熱烈なファンの立場からの視点を、かたくなに崩そうとしないことと、決して難しいことを言わないこと。ことクラシックをネタに…

 鯨肉給食が復活しているって本当?鯨肉の水銀汚染は大丈夫?

少し古いニュースだが、我が目を疑うような記事が、東京新聞に掲載された。何と、いつの間にか小中学校の学校給食で、鯨肉を食材にしたメニューが復活してきているらしい。しかも、昔の給食に出たような<竜田揚げ>のメニューが多いと言うから吃驚。 確かこ…

 中禅寺湖の畔へ避暑キャンプ

9月に入ってからの余りの暑さに耐えかねて、奥日光、中禅寺湖脇にあるキャンプ場へ行ってきた。台風9号の接近のため、7日の夜から山の天気は大荒れ、土砂降りの雨にたたかれ、今日8日の午前中、雨の中でテントを撤収、熱帯低気圧に変わっても、山の天気は大…

 『代替医療のトリック』 サイモン・シン&エツァート・エルンスト著 青木薫訳 (発行新潮社2010/1/30)

最近よく目にする<補完代替医療>や<代替医療>などと呼ばれている<医療ならざる治療>は、本当に効き目があるのだろうか。地球上では人類の半数以上が何らかの代替医療を利用したことがあり、年間におよそ400億ポンド(約6兆円)が支出されているという…

 ダイエットの顛末記(3)

BMI22をめざすシンプルダイエットを始めて3ヶ月が経過した。BMIの数値は23をきり、体重だけは30歳代の値になったが、それ以外は年齢に全く忠実なまま(笑)。10kg体重が減ると散歩していても身体を軽く感じるというのを何とか実感できた。着るものに隙間が出来…

 日本学術会議の会長談話・・・「ホメオパシー」について

民主党の代表選挙が白熱してきているが、そのことにはあまり興味がない。それよりも、民主党政権になって<統合医療>ということを話題にする首相がでてきたりして、何となく<代替医療>を評価するような姿勢がチラホラするのが気になっていた。政治が介入…

 『輝ける闇』 開高健著 (発行新潮社1968/4/30新潮文庫あり)

猛暑が続いて日中ぐったりとなりながら、日陰で焦げたような匂いのする熱風に吹かれていると、何故か開高健の「輝ける闇」が読みたくなる。けだるい8月、敗戦や被爆の回顧が年中行事としてメディアを飾るのに影響されるのか、これまで何度もこの月に「輝け…

 『無名』 沢木耕太郎著 (発行幻冬舎2003/9/15)

沢木耕太郎のノンフィクションをずいぶん長く愛読してきた。彼の文章には、いつも鮮やかに物語の形にきりとられた人々の生きる姿が生き写しになって焼き付けられている。事実に基づくノンフィクションだから、並の小説などにはとても真似の出来ないリアルな…

 毎日新聞のコラム<記者の目>「世論調査批判」について

少し古い記事になるが、先月下旬、毎日新聞のコラム<記者の目>で取り上げた「世論調査批判」は、日頃気になっていたことを文字化してくれた注目すべき記事だった。ネット上では消えてしまうのが早いので、保存性をよくしておくために引用しておこう。 記事…

 『Life 生命という奇跡 [全10話]』 WOWOW ドキュメンタリー 制作BBC

9日からWOWOWで朝の8時半から2時間枠で連続5日間、「生命という奇跡」というドキュメンタリー番組を放映していた。BBCが35億円の経費と4年の歳月をかけた自然映像番組というふれ込み。確かに思わず息を飲むような映像が度々出てきて、何度も吃驚させられた。…

 『ミステリ十二か月』 北村薫著 (発行中央公論新社2004/10/25)

ミステリは大好きだが、ミステリのマニアでも愛好家でもないので、傑作の定評があるものでも未読のものは数多い。全体的な展望や、歴史的な経過にも疎い。だから、ガイドブックや読書案内の類のお世話になることに吝かではない。偶然に図書館で手にしたこの…

 我が家に出没するヤモリたち

心待ちにしていたヤモリが今年も出てきた。数年前から、古くなった我が家にも、爬虫類の仲間であるヤモリが登場するようになった。以前からいたのかもしれないが、数年前に気がついた。ヤモリが現れるようになると、家の中やベランダの小さな虫たちが、いつ…

 『川は静かに流れ』 ジョン・ハート著 東野さやか訳 (発行ハヤカワ・ミステリ文庫2009/2/15)

この作者の翻訳された3作「キングの死」、本書、「ラスト・チャイルド」の評判がいいので、2作目の本書を手に取ってみた。巻頭の謝辞に著者が書いているように、これは濃密な「家族をめぐる物語」だ。同時に喪失した自己の回復と、緊迫した謎解きのサスペン…

 ダイエットの顛末記(2)

食生活を若干制限するシンプルなダイエットを始めて、2ヶ月が経過した。間食を一切止め、嗜好品や飲み物の砂糖をカット、三食の食事からパンや御飯、乗襀゙などの炭水化物の摂取を半分程度にとどめるという、いたって単純なやり方。後は、動物性タンパク質や…

 奥日光への滞在型避暑キャンプ

あまりの暑さに耐えかねて、奥日光の中禅寺湖の畔にあるキャンプ場へ、4泊5日で行ってきた。今回は、テントをベースにしてあちらこちらへ出かけるのではなく、テントの周辺でのんびりと涼を楽しむ滞在型で過ごしてきた。二日目に戦場ヶ原を散策した以外は、…

 都内の清掃工場の焼却炉、水銀のために操業停止についての懸念

数日前に気がかりなニュースが新聞各紙に流れた。東京都内の清掃工場で、焼却ゴミに多量の水銀が混入、5焼却炉が操業停止に追い込まれているという。焼却炉の排ガス中の水銀濃度が1立方m当たり0.05mgを超えたのがその理由。 (画像は今回東京都から発表…

 『ハイドン新版 (大音楽家・人と作品2) 』 大宮真琴著 (発行音楽之友社1981/07/20)

武蔵野でも梅雨明けの厳しい暑さが続いている。だが、どうした訳か例年に比べて、蝉の鳴き声があまり聞こえない。<蝉時雨>などという風流なサウンドの洪水が、何時になったら体感できるかいささか気がかりである。 このところ暑さのせいもあるが、ふとした…

 『デジデリオ・ラビリンス−1464、フィレンツェの遺言』 森下典子著 (発行集英社1995/4/30)

デキゴトロジーから育った書き手の一人森下典子さん、「典奴どすえ」をはじめとする作品で器用で軽いエッセイストとばかり思っていたが、この本を読んで、考えを改めた。 人の前世を透視するというオカルトっぽい導入からはじめて、鑑真和尚とともに中国から…

 真夏の武蔵野、雑木林の彩り

仲間と一緒にやっている雑木林の、不法投棄ゴミの回収に行ってきた。梅雨明け宣言はまだだが、武蔵野はすっかり夏模様、道端の雑草たちの元気なこと、凄まじいばかりに生い茂っている。まだ、蝉の声はほとんどしないが、梅雨が明ければ一斉に、大音響を響か…

 『デキゴトロジー』 週刊朝日風俗リサーチ特別局編著

夏目房之介さんの傑作イラストコラムについて調べているうちに、その母体のデキゴトロジーのことが気になり出した。週刊朝日に連載され、1年1冊のわりで単行本にまとめられ、文庫に入れられて、全部を楽しめるようになっている。よほど人気があるのか、文庫…

 『小林カツ代−料理の事典−おいしい家庭料理のつくり方2448レシピ』 小林カツ代著 (発行朝日新聞社2002/4/30)

沢山の料理本のなかで、我が家のおかずとして一番たくさん食卓に上るのは、やっぱり小林カツ代さんのもの。日頃からおっしゃっていた通り、簡単で手間いらず、材料が入手しやすく、誰が食べても美味しいと思える気取らない料理、あるべき家庭料理を提案し続…

 増殖する週刊誌コラム=デキゴトロジー>事件イラストレイテッド>ナンデモロジー学問

現役の頃、家族そろって贔屓にして、毎週のように出入りしていた蕎麦屋があった。その店の雑誌置き場に、長い間、週刊朝日が1ヶ月分いつも置いてあった。興味を引く記事があると拾い読みした。懐かしい「デキゴトロジー」もそこで読んだ。重箱の隅をつつくよ…

 久しぶりのユーザー車検

リタイヤして時間だけはたっぷりあるので、自家用車のユーザー車検に行ってきた。10年以上前に、社会勉強にと一度チャレンジしてことはあるが、その後、現役の気ぜわしさにかまけて、知り合いに任せっぱなしだった。せっかく時間だけはあるので、今回、心機…

 ダイエットの顛末記(1)

若いときはそうでもなかったが、年齢と共にいつの間にか標準体重を大きく越えてしまった。健康法の一つとして標準体重に近づけたいと思い、体重を計りつつ食事制限に取り組んでみた。いわゆるダイエットと言うことを始めた。目標は標準体重BMI22。 体重…

 『人国記・新人国記』 著者不詳 浅野建二校注 (発行岩波文庫1987/9/16)

県民性などという、地域風土が人格の形成に影響するという考え方の、古典的なお手本のような書物、何時ごろ誰が書いた物なのかよく分かっていないが、文体に統一性があるので特定の個人が記した物と言われている。交通の便がわるかった戦国時代以前の大昔、…

 『図書館に訊け!』 井上真琴著 (発行ちくま新書2004/8/6)

電子書籍の普及が図書館に与える影響を調べようとウロウロしていて、偶然にこの新書に行き当たった。図書館業務に精通した現役の図書館関係者の本と期待したのだが、深く広く図書館活用法を説いて、非常に有益だった、ベスト図書館取扱説明書として紹介して…

 『サルヴァスタイル美術館』のご案内

かなり前に、ネット上で絵画作品を閲覧できるサイトを探していて見つけ、5年以上も折に触れて訪問、ますます内容が充実してきているこのWeb美術館を、いつか紹介しようと思いながら、つい延び延びになっていた。今回、思い切って紹介してみたい。何よりも、…