武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2006-01-01から1年間の記事一覧

 マクドナルドの定年制廃止について

今日の新聞に日本マクドナルドが60歳定年制を廃止、本人が希望すれば60歳を過ぎても働き続けることができるようにしたとの記事が出ていた。 今年度の4月1日から、高年齢者雇用安定法の改正内容の段階的実施が始まり、60歳以上の高齢労働者に吉と出る…

 歩くという日課の愉しみ(散歩の途中で見つけた花、ハチが来て蜜を吸っていた)

一日のリズムを整えるためにも、酷い雨風の日でもない限り、散歩だけは欠かさないことにしている。短い時は1時間、長いときは3時間程度、時間は自由になるので途中の寄り道は無制限、興味のおもむくままに、近所を歩き回ることにしている。 歩き始めて、1…

 『負け犬の遠吠え』酒井順子著(発行講談社)

定年退職して収入の源が細くなった活字中毒患者にとって、図書館とbookoffは格好の遊び場、週に一度は顔を出し何か面白い本はないかと寄り道を楽しむ。今回はbookuoffの100円コーナーで見つけた流行おくれのベストセラーエッセイ「負け犬の遠吠え」が面白…

 『ウェブ進化論』−本当の大変化はこれから始まる 梅田望夫著 (ちくま新書)

インターネットの驚異的な普及が、社会になにをもたらすか、無視し得ない興味深いテーマなので、関連の書物には、可能な限り目を通すようにしてきた。特に、ばら色に未来を染め上げるものよりも、大したことはないとするいささか暗い未来予測のほうに説得力…

 伊豆高原への旅日記

二泊三日の予定で、伊豆高原へ遊びに行った。 移動距離は200km足らずだが、伊豆への移動は半日仕事、今回は、中央自動車道を使って国立府中から富士吉田へ行き、富士五湖道路を経由して御殿場に出て箱根を通り伊豆半島に入った。平日の観光地は、道路も…

 スペイン旅行02日目(マドリッド周辺と市内観光)(画像は、プラド美術館の正面入り口、フラッシュを使わなければ撮影OKだったが、館内では見ることに重きを置き、撮影は遠慮した。)

午前中はセゴビアに移動、詩人アントニオ・マチャードが読んだような荒涼としたカスティーリャの荒野を横切って行く。セゴビアでは古代ローマ帝国の遺跡、水道橋を期待していたが、世界征服を支えた建築技術に脱帽、2世紀ごろに作られて19世紀まで実際に…

 スペイン旅行01日目(移動日)(画像は4月下旬の頃、スペインの道路脇に可憐に咲いている風に揺れているアマポーラの花、野生のケシの一種)

この日から、スペインへ観光旅行、成田空港の民間駐車場まで車で移動、昼頃に出発するスカンジナビア航空でコペンハーゲンへ行き、スパンエアーの便に乗り換えてマドリッドへ。移動時間の合計が飛行時間だけで約15時間、うんざりするほどの長旅なので機内…

 『教育と国家』高橋哲哉著(講談社現代新書)

与党の教育基本法改正案の国会提出が、時間の問題になってきている折、すこし頭を冷やしてこの問題の背景と本質を考えてみたくなり、この本を手に取った。著者は、比較的冷静に教育基本法を改正しようとする一群の人々の歴代の問題発言を分析、その背景を流…

 焼津漁港周辺食べ歩き(画像は市内の整備された海岸線、散歩やジョギングのコースとして最適)

この国の漁港では、水揚げ量ナンバーワンの焼津に来たからには、お魚を食べないで帰るわけにはゆかない。新鮮で安いお魚の食事にありつこうと観光パンフレットを手がかりにお魚食堂を探した。 お勧めは、「焼津さかなセンター」の食堂、500円の「まぐろ鉄…

 登呂遺跡と芹沢美術館の印象記(画像は芹沢美術館の印象的な入り口、ここに立つだけでこの建物で生活して見たくなった)

焼津の町からすこし足を伸ばして、登呂遺跡を見に行った。登呂遺跡は、この国の社会の教科書では、弥生時代の稲作を象徴する遺跡の代名詞のようなもの、国民的な知名度を持つ遺跡だが、実際に行ってみた人はそれほど多くないようだ。20年ほど前にツーリン…

 定年退職記念の家族旅行に招待されて(画像は、焼津のホテルの脇で見つけたほころびはじめた八重桜)

3月末日をもって30年以上務めた仕事から退いた。このことを記念して、今は巣立って別々に暮らしている子供たちから、記念の旅行に招待された。子供らが企画運営のすべてをはこんだ旅行は、これが初めて。我ら夫婦は喜んでこれに参加することにした。 集合…

 『手紙』谷川俊太郎詩集(発行集英社)

先日、古書店をぶらついていて100円本のコーナーで谷川俊太郎の詩集「手紙」を見つけ、即座に買うことにした。理由は、安かったからでもあるが、谷川俊太郎の詩集には、外れがないからだ。散文集には、時には感心しないこともあるが、こと詩集に関しては…

 季節限定の夜桜名所、所沢市内を流れる東川沿いの桜並木(画像は下から見上げた桜のドーム、ソメイヨシノは隙間から空が覗ける、花に包まれた空間が息を呑むほにゴージャス)

花の季節に吹き荒れる風もおさまったので、夕方から夜桜見物に出た。航空公園の南側をささやかに流れる東川沿いの桜並木が見事なので、例年頃合いを見計らって見に行くことにしている。市がバックアップした町内会の企画だと思うが、延々約3kmにわたって…

『夜のパリ』ジャック・プレベール(画像は、散歩の途中で見かけたあでやかなスイセン)

蔵書を整理をしていたら、詩のアンソロジーが出てきた。ペラペラとめくっていたら、懐かしいプレベールの詩が注意を引いた。以前に読んで、何というフランスの粋な表現かと、心底感じ入った一編。モンタンがシャンソンで歌い、ご存知の方も多いと思うが引用…

 『ナンプレ 中毒確実 脳を鍛える数字パズル』ウェイン・グールド著(角川文庫)

旅行の数日前頃から、定年退職者らしいことは何か考えて、非生産的な純粋な暇つぶしの娯楽がいいだろうと思いつき、このパズルを選んでみた。何年か前に世間で評判となり、今では数冊の月刊誌すらでているナンバープレーズ、略してナンプレ、九九81枠の隙…

 形式的にはこの日で完全に定年退職、イコール無職

職業欄に何か書くとしたら、無職かあるいは家事手伝いか。いずれにせよ、働いていない日々なのだから所謂ニート同じようなもの、この新しいご身分は今日始まったばかりで、実感がわかないの仕方がない。 (画像は公園で見かけた立派な三毛猫、声をかけたらこ…

 大毛島の内海、ウチノ海スカイラインと徳島県内気ままドライブ(画像は、展望ポイントから見下ろすウチノ海の景観)

公共の乗り物と自分の足だけでは、行動半径に限界があるので、この日はレンタカーを借りて気ままなドライブ。まずは、二日間世話になった大毛島の探訪、この島は天然の素晴らしい内海を抱えており、昔は多分(推測に過ぎないが)海賊や水軍の基地として最良…

 誰もが名前だけは知っている鳴門(ナルト)の渦潮観光(画像は渦の道から見下ろした観光船と渦潮)

この日は、国民的な知名度をもつ鳴門海峡の渦潮を見物することをメインに行動した。以前にもツーリングでこの近くまで来ているが、時間の都合で渦潮なるものを見逃してしまっていたので、今回は2度目の正直と言ったところ。 大潮の時刻までに余裕があったの…

 大塚国際美術館見学の印象記(画像は近くの別の展望台から美術館周辺を俯瞰したもの、小高い丘がそっくり施設と一体化している様が分かるかな)

四国の徳島におもしろい美術館があるという話を伝え聞き、一度行って見たいと思っていたが、ちと遠いのと日程の都合で行く機会がなかった。今度ようやく時間にゆとりができたので思いきっていってきた。羽田から徳島空港行きのスカイエアラインで約1時間、…

 澄明な空気の中の朝の散歩(画像は、ようやくほころび始めた航空公園の桜、今週末が花見の見ごろか)

6時に起床して朝の一連の儀式を済ませ生ゴミを出し、さて、今日の朝の散歩は南へ向かう。住宅街を横切り、通信基地の脇の緩やかなのぼりを一気に横切り、航空管制施設の横をぬけて航空公園に入る。気温は体感では10度前後、パラシュートの生地のウィンド…

 退職後の残務整理・身辺整理(画像は近所を散歩していて見つけた梅)

30年は短いようで長い、また、長いようで短い。時間の経過をめぐる感慨は、手のひらを翻すほどにも簡単にひっくり返る。長いという意味は、仕事の関係で積もり積もった資料の山が、崩れそうなほど溢れかえっていること。1年ごとに整理してきたつもりでも…

 定年退職を迎えた日の感想(画像は、近所の親しい方からいただいた素晴らしく豪華なお花、どの部屋に置いてもその部屋が豪華な部屋に変身、花の威力は凄い)

30数年働いた仕事に今日、一応の終止符がうたれた。職場のメンバーとの食事会でお祝いされ簡単なスピーチをやらされた。私にとっては、今日に至るまでの期待に満ちた数年間が、わくわくしてずいぶんと楽しかった。とりわけ、この1年は、<働かざるもの食…

 『猫〜その瞳に魅せられて〜 岩合光昭写真展』印象記 所沢市民文化センター・ミューズ・ザ・スクエア(画像は、入場料のチケットに写っていた岩合さんの猫の写真、素晴らしい表情を見せているので使わせていただいた。)

岩合さんの珍しい猫の写真展の最終日、行きたいと思っていたが都合が付かなくて今日やっと散歩をかねて見てきた。この写真展に是が非でも行きたかったのには理由がある。 一つは、私も猫が好きなので何度もカメラを向けたことがあるが、ほとんどの場合、逃げ…

 『長谷川潔展』印象記(横浜美術館) 

昨日、横浜まで足を伸ばし、1月から開催されている版画家の長谷川潔展へ行ってきた。自宅から車で出かけたのだが、陽気がよくなった土曜の日中だったので、各地で渋滞と遭遇、行き帰りを含めて一日仕事になってしまった。横浜美術館には初めて行ったが、多…

 武蔵野の特異気象、関東だけ春の陽気(画像は航空公園の菜の花)

関東の片隅に暮らしていて、時々この地域の気象が不思議に思えることがある。今日がまさにそんな一日。全国的に北よりの風が吹いて、各地で冬に逆戻りしたような天候となりあちこちで雪もちらついたというのに、武蔵野のこの一帯は気温が15度を越えるポカ…

 『翼はいつまでも』川上健一著(集英社文庫)

爽やかな涼風が吹きつけてくるような思春期物語。<翼はいつまでも>などという大人が気恥ずかしくなるような題名だったので、気後れしながら読みはじめたが、じきに気にならなくなった。文章に気取った文芸臭がなく描写がストレート、読みすすめるのに何の…

 早朝散歩に手袋が要らなくなったこと(画像は、休日の散歩の折、日の当たる庭の隅でみつけた見事な葉牡丹)

寒い日と暖かい日を繰り返しながら、三寒四温とはよく言ったもの、次第に寒気が緩み徐々に春めいてきた。毎朝の散歩の時、指先に突き刺さるような寒さが耐えがたく、手袋を手放せなかったのが、いつしか手袋なしで平気になってきた。フリー百科事典『ウィキ…

 『アランフェス協奏曲』村治佳織(ギター)新日本フィルハーモニー交響楽団

かなり以前に出たCDだが、スペインへの旅行を計画しているので、久しぶりに聴いて感心した。これまでこのアランフェス協奏曲は、男性の著名ギタリストの演奏で何種類も聞いてきたが、この村治佳織さんのCDが一番私にはしみじみと3楽章総てに浸ることができ…

 『6週間のダンスレッスン』草笛光子と今村ねずみの二人芝居の印象記(所沢文化センター・ミューズ・マーキーホール公演)

72歳になる末期ガンの老未亡人とブロードウエイ崩れのゲイのダンス教師が、二人だけで6回のダンスレッスンに取り組み、反発と和解を繰り返しながら、ダンスのレッスンを積み重ねるうちに、年齢や生き方が全くと言っていいほど違う二人が、互いを理解し尊…

 『古典落語CDの名盤』京須偕充著(光文社新書)

私はガイドブックの類が大好き、世の中には幸か不幸か、不覚にもよく知らないジャンルが両手に余るほどあり、なにかのきっかけで興味がわいてしまった時お世話になるガイドブック。その世界の酸いも甘いも噛み分けた達人が、手抜きなしに初心者を想定して丁…