武蔵野日和下駄

10歳から続く乱読人生、年季の入った活字中毒、頭の記録メディアがダウン寸前、記憶のダイエット装置

2007-01-01から1年間の記事一覧

 《世界名詩集大成(全18巻)の<2〜5>フランス》(発行平凡社)

戦後の一時期、フランスの文学や哲学、映画や音楽などがこぞって翻訳紹介されていたことがあった。ブームだったような気がするが、外国の文物の紹介が特定の国に偏る傾向は、その後も続いているような気がする。ここしばらくは、英語文化圏のものの流入が圧…

 《日光白根山登山》

この日は、クルマを丸沼高原の駐車場に移動し、ロープウェイを利用して、日光白根山に登った。所々に雪が残り、場所によっては登山道にかぶさり、夏場はもっと歩きやすい道なのだろうが、少々辛い上り下りだった。何年も前に岩木山に登っていらいなので、体…

 《奥日光の戦場が原ハイキング》

奥日光の戦場ヶ原のハイキングに行った。梅雨時のこの季節、戦場ヶ原の周辺では、ズミの樹が一斉に花をつけ、湿原ではワタスゲが高原の風に白い穂をなびかせる。僅かの晴れ間を利用して、眩しいような初夏の高原歩きを楽しんできた。 ズミの花は、七分咲き程…

 《世界名詩集大成(全18巻)の<1>古代・中世》(発行平凡社)

「今後二度と出版の機会を得られないと思う」としおりの後記に編集者がメモしたように、このような出版企画は、1960年以降、二度と現れることはなかった。この国が、壊滅的な敗北を喫した大戦のわずか15年後、一企業の中にこのような壮大な文化的な壮…

 《イタリアの反喫煙法見聞》

今回の南イタリア旅行でおどろいたことの一つに、ついに踏み切った反喫煙法の施行がある。02年のWHOの喫煙規制枠組み条例を受けてその年の12月に、反喫煙法が成立、05年の1月から施行に移されたもの。幸いにも同じツアーのメンバーにひとりも愛煙家が…

 『ホワイト・プラネット』 カナダ・フランス合作映画 (監督: ティエリー・ラゴベール, ティエリー・ピアンタニダ)

北極圏に生息する野生動物の生態を捉えたドキュメンタリー、どうやって撮影したのか想像できないようなアングルからの映像が、次々と出てきて眼を奪われた。82分という最近の長時間化する傾向の映画の中で、これで十分と、見るものを満足させ納得させる作…

 《南イタリアの見聞》

○ナポリの見聞・・・噂ではナポリ市内の交通は最悪で、ここで運転できれば、世界中どこへ行っても運転できると言うらしい、とにかく、ちょっとした隙間があれば素早くクルマの頭が入り込んでくる、大きな交差点以外に信号が無く、阿吽の呼吸で車が走り人が横…

 『一娼婦の手記−ファニー・ヒル−』 ジョン・クリーランド著 中地知夫訳(発行田園書房)

英国産の古典ポルノを代表するファニー・ヒルの日本語訳は、何種類あるのだろう。気になったのでネットで調べてみた。①原笙二訳(美和書院)1951年②松戸淳訳(紫書房)1951年③清水正二郎訳(浪速書房)1965年④吉田健一(河出書房新社)1967年⑤近藤潔訳(角川…

 《著作権延長問題》

著作権の保護期間を20年延長するかしないかが検討課題として浮上してきている。6月2日の朝日新聞日曜版のbeで特集していたので、この話題にのってみよう。まず著作物とは何かということがあるので、著作権法第十条を引用しておこう。(画像は、アルベロベッ…

 《シチリア島の見聞》

映画ゴッド・ファザーとニューシネマ・パラダイス、そして漠然としたシチリア・マフィア発祥の島程度の知識、だが、実際に行ってみて驚いた。 イタリア半島のつま先にある三角形の島、実は、地中海最大の島で、面積は約26000㎡、四国の1.5倍もあり、東…

 《夏野菜のトマト漬け》

先日、NHKの「ためしてガッテン」という番組でトマトの特集を見た。この国のトマトの旨味は種の周りと皮にあるので、ヘタ以外のすべてを活用する調理法が、この国のトマトに適した調理法だという内容だった。小林カツ代さんの「漬けものとっておき」という本…

 新河岸川水系の身近な川の一斉調査

今日は朝から荒川の支流、新河岸川の身近な川の一斉調査に協力して、仲間と一緒に河川の水のサンプリングと水質検査に行ってきた。この日は、新河岸川水系だけで259箇所の測定が行われ、荒川や全国の河川におけるボランティアの測定を含めると、一体何箇…

 『我が秘密の生涯』第1巻 作者不詳 田村隆一訳 発行学芸書林

これは、全11巻に及ぶ膨大な性の自叙伝の第1巻、何種類かの日本語バージョンがあるが、この学芸書林版が元になる原版。かなり以前に絶版になっているので、現在は古本でしか入手できないが、稀に見る存在感のある本なので、チャンスがあったら手に入れら…

 国際線旅客機の座席モニターのこと

今回のシチリア南イタリア旅行では、行きも帰りもアリタリア航空の往復だった。驚いたことに機内の大型スクリーンもしくは大型モニターは姿を消し、何箇所かに中型の固定モニターがあるだけ。大きな画面で映画を見せるような仕掛けそのものがなくなっていた…

 長期旅行中の糠床の保存法

10日間ほど家を空けるので、糠床の保存法を調べた。3〜4日間なら冷蔵庫で大丈夫との情報だったので、試してみたことがある。器の空間があると、薄く黴が発生するので、ビニール袋など完全に密封できる物に移し変えて、空気から遮断した方がいいようだ。 …

 南イタリアの旅から帰って

10:30頃に成田に到着、帰国手続きを終えて空港の外に出て吃驚、南イタリアも暑かったが、この国の方がもっと暑くて湿度が高い。物みなに黴が生える国へ帰ってきたことを実感。 今回のツアーも時期が時期だけに高齢者と退職者が多数を占め、平均年齢が非…

 エゴノキに花が咲いたよ

朝の散歩に出て、近所の公園の中のグラウンド脇の遊歩道を歩いていたら、地上に小さい白い花びらが、落ちていた。ハッとして上を見上げると、可愛い丸い葉っぱをつけたエゴノキの枝先に、びっしりと白い花が咲いていた。この道は良く通る道なので何時咲くか…

『ビッグバン宇宙論』(上)サイモン・シン著(青木薫訳)発行新潮社

宇宙論の究極の課題ともでもいうべき宇宙誕生テーマについての科学史、著者の抜群の説明上手と整理されつくした歴史資料が明快な叙述でテンポよく展開されており、歴史ミステリーを楽しむような感じで、読んでいて知的な興奮が抑えられない。素敵な科学読み…

 早朝の爽やか散歩

GWあたりから日中の気温が高くなってきて、歩いているだけで体温の上昇を抑えきれず、背中の真ん中辺りからじっとりと汗ばむようになってきた。シャツのボタンを外したり袖をめくってみたりながら、体温調節に心がけているが、快適さを通り越して暑苦しく…

 インフルエンザ特効薬(中外製薬)タミフルの副作用と売り上げ高の推移に思うこと

先月24日の朝日新聞の記事で、1〜3月の病院向けタミフルの売り上げが、前年同期の99億円から49億円に半減したと報道されていたことを思い出した。服用した患者の異常行動の報道が影響したという。チト古いネタだが、気になるのであえて取り上げて見…

 『冒険小説論−近代ヒーロー像100年の変遷』 北上次郎著 (発行早川書房)

冒険活劇に満ちた面白小説を楽しむだけでなく、比較したり並べ替えたりして、チト理屈っぽく楽しんでみたいという、薀蓄派の人には、応えられない内容の本。四六版のハードカバーで529ページ、書名作品名と著者名のしっかりした索引が巻末についている力…

 『ダブルオー・バック』稲見一良著(新潮文庫)

大藪春彦のほとんどの小説から、ガンとクルマを外したら、その魅力の大半が失われてしまうであろう。クルマがこの社会の文化の一端を象徴するように、ガンもまた人間社会の文化の一端を象徴してしまうような気がする。使い方を一つ間違えると、悲惨な結果を…

 ゴールデンウィークの過ごし方

絶好の行楽日和となったのだが、退職者は、自宅とその周辺で、のんびりと時間を過ごすことにしている。何日か前から、この時期の高速道路の渋滞予測を放送していた。こらえ性のなくなったわが身では、何十キロも続く渋滞は辛い。人出の時には引っ込み、閑散…

 花々で溢れ始めた武蔵野の小道

気候が良くなってきたので、散歩に出ると、目と耳を楽しませるものに事欠かない。目に楽しいのは、次々と咲き出した道端の花々。畑にも作物の花が咲き出したので、観賞用の豪華なばっちりお化粧したような花々とは一味違う、清楚な野菜たちの花々がひっそり…

 『美しい日々』 片山健画集 (幻燈社)

初めにお断りしておくが、この画集は、多分現在は入手困難、昭和44年に1000部限定で出版されたもので、私が所有しているのは323番。古書店を検索してもかなり高い値段が付いている。当時はあまり売れなかったらしく、大きい書店ではよく見かけたも…

 『自家菜園歳時記』 伊藤益臣著 (現代教養文庫)

動植物の飼育栽培が苦手な無精者だが、動植物は大好き。丹精込めて栽培された草木を愛でる気持ちだけは、栽培者に申し訳ないが、人並みに旺盛、可愛がって育てられたペットも微笑ましくて、つい手が出てしまう。 さて、本書は昼間サラリーマンとして働く方の…

 伊豆のんびり旅行

三泊四日の日程で伊豆の温泉に行ってきた。熱川の温泉を引き湯しているという行きつけの宿で、朝晩湯につかりながら、周辺の春を楽しんできた。火山活動でできた大室山の麓に桜の里という公園があるので行ってみた。 ソメイヨシノばかりの桜の公園が多いが、…

 ちょっとした買い物

今日は、今大事にに育てている<糠床>の品質を、短期長期の旅行中も腐らせないで維持するための、入れ物を買いに出かけた。短期間は冷蔵庫、10日間を越えるようだと冷凍するのがよろしいと、漬け物の本に出ていたので、やってみようという次第。 ここ何ヶ月…

 花をつけ始めたしぶとい道端の雑草

農道を歩いていると、種蒔きが始まっていたり、種蒔きの準備が終わった畑が沢山目に付く。透明だった黒かったりする農業用マルチシートに覆われた畝が延々と続いている畑もある。武蔵野の畑は、着々と農作業が進行している。 さて、足元を見ると気の早い雑草…

 『マンガ「種の起源」』 田中一規著 (講談社)

おそらく80年代に発達した出版形態だとおもうが、いわゆる<学習マンガ>のジャンルに入る一冊。以前に歴史教育の資料になるかと思い、日本の歴史の学習マンガを何種類か読み比べ、自宅でも確か小学館版を購入した記憶がある。とにかく収録してある情報量が…